黙然日記(廃墟)

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産経記者の可能性観。

 6/30分です。今年も半分終わりですね。(「いまごろなに言ってんだ」? はい、すみません)

【安倍政権考】「芸術」とは言えない与党合意+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140630/stt14063010300002-n1.htm

 えーとこれは、坂井広志記者ですね。電波は少なめですが、産経臭がぷんぷんじつす。鉄血宰相ビスマルクの「政治は可能性の芸術である」という言葉を引用して、集団的自衛権行使容認についての与党合意は「芸術」ではない、「可能性」が見えない、というわけですが、その方向が「武力行使の可能性」なのですから呆れます。ビスマルクはそんな軽い意味で「可能性」という言葉を使ったのでしょうか。安倍晋三政権・自民党の暴走に歯止めを掛けるため、公明党が必死になって文言を交渉して練り上げた、その意味でなら「芸術作品」とも呼べる閣議決定案ですが、無制限の軍事力行使を望んでいると思える坂井記者にとっては、歯止めの存在そのものが気に入らないようです。歯止めがなければ必ず軍事力行使かエスカレートするという公明党の危惧に、《全体主義国家で起きても、民主主義国家の日本では起きない》と、簡単に言い切っています。そう言いながら、警察予備隊に始まった再軍備エスカレートしてきたのが、日本国の戦後史でした。我々もだいぶ不感症になっているのでしょうが、たとえば30年前、60年前には考えられなかったような自衛隊の行動が当然とされているのが現状です。それでも最後の歯止めが、集団的自衛権の保持はするが行使できないという憲法解釈だったのに、安倍政権は国会での国民的議論も経ずにそれを具現化してしまったのです。今回の閣議決定案の意味について、改めてかみしめたいと思います。