黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の15事案。他。

 5/29分です。超獣戦隊雷雨マン。なんちて。

【主張】安保法制15事例 先延ばしする余裕はない - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140529/plc14052903100004-n1.htm

 集団的自衛権行使容認等に向けての議論が具体例に入り、大詰めが近づいてきました。公明党にはなんとか重箱の隅をつつきまくって議論を引き延ばしてほしいものです。10月初旬まで引っ張れれば、大逆転の可能性がなくはないのですが、果たしてそううまくいくか。石原新党(またこの名前が出てきたか)とみんなの党が虎視眈々と与党入りを狙っているので、次のターンまでに公明党の連立離脱カードが無効になってしまう恐れもありますし。
 さて提出された15の事例ですが、「具体的」ではあっても「現実的」なものばかりではありません。「PKOでの駆けつけ警護」のように現実的なものもありますが(しかしこれは集団的自衛権ではなく集団安全保障の領域です)、「自衛隊が訓練中に不法行為を発見」のように、わざとやってるんじゃないかぎり確率的にあり得ないだろう、というものも含まれています。こんな屁理屈を持ち出さないと容認できないのが集団的自衛権なら、そんなものは必要ありません。「日本人を輸送する米国艦船の保護」は必要ですが、日本人を守るのですから個別的自衛権で十分のはずです。同時に安倍晋三首相は、「日本人の有無にかかわらず米国艦船の保護」という例を挙げましたが、日本人の生命財産を保護するのが自衛隊の任務であり、集団的自衛権や集団安全保障がそれ以外の仕事を要求するのなら、目的外任務ということになって自衛隊の性格が根本から変わります。どう考えても「自営」の範囲を逸脱するものであり、どんな解釈を加えても集団的自衛権行使容認が日本国憲法に反することは確実です。これを強行しようというのが安倍政権の目論見であり、産経「主張」はもちろんこれに全面的に賛同し、お先棒を担いでいます。

【阿比留瑠比の極言御免】歯止めかからぬ「元首相」価値のデフレ現象(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140529/plc14052913420011-n1.htm

 安倍首相のお先棒といえば産経新聞石橋文登氏と阿比留氏ですが、今回は村山富市菅直人両元首相の言動をあれこれ言っています。日本現代史上数少ない(いや、指折ってみるとそうでもないですが)非自民党の首相である2人に対して、阿比留氏はそのことだけで気にくわないのでしょう、現役首相時代からの一貫した発言にもけちを付けています。第一次政権時代に安倍首相の取り巻きと指摘され、その後はひからびた魚のような表情で「首相経験者の一人」に取材した記事ばかり書き、第二次政権になってからはまた小躍りして書き散らしている阿比留氏ですが、「元首相(首相経験者)」の価値を落としているのは村山、菅両氏でしょうか、浪人時代の安倍氏とその取り巻きでしょうか。