黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の“集団自衛権”。

 6/11分です。バリ島のことわざに「泥を投げられたら、花を投げ返せ」というものがあるそうです。少し反省。

【主張】公明と集団自衛権 行使容認は与党の責任だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140611/plc14061103160002-n1.htm

【編集日誌】どうなる「密室」協議 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140611/plc14061108290004-n1.htm

 ……やっぱり泥を投げたくなります。まず、最近産経の見出しは「集団的自衛権」を《集団自衛権》と書くようになったみたいですが、なんのつもりでしょうか。見出しの文字制限がきついとしても、こうして不正確な概念を流布することのデメリットと、きちんと秤に掛けて考えているのでしょうか。検索してみると読売新聞とNHKにも用例がありますが、産経新聞が突出しています。両者を含めて、なにか、印象の悪くなった「集団的自衛権」とは別のものというイメージでも植え付けたいのでしょうか。
 「主張」では、安倍晋三首相の意思が絶対、という独裁体制を肯定する全体主義体質が露わになっています。なものですから、野党、あるいは与党内野党の存在意義がどうしても理解できず、《行使容認は与党の責任》などと筋の通らない見出しを付けることになるわけです。本文にあるように、国の安全保障政策を明確にするのは、たしかに与党としての責任でしょう。しかし、それがイコール行使容認ということにはならないはずです。「公明党がこのままなら連立が成り立たない」といった、脅迫めいたことを産経「主張」は言っていますが、連立の主導権を握っている(選挙協力で依り多くの貢献をしているのが自民党ではなく公明党であることを、産経は忘れているのではないでしょうか。見たくない現実、というやつでしょうか。
 乾正人編集長の「編集日誌」も、安倍首相の強硬姿勢を礼賛するばかりの信仰告白コラムになっています。ちょっとこれは、一見の価値がありますね。こういうのはちゃんとメモっておいて、安倍氏がこけたときに持ち出すと、面白いんですよねえ。