産経佐々木記者の見たいもの。

【一筆多論】「慰安婦」像…歴史は事実をもって語らせよ　佐々木類（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140208/amr14020808000000-n1.htm

　「一筆多論」欄は論説委員長・副委員長が執筆するものだと思っていましたが、佐々木記者の肩書きは単に《論説委員》になっています。ワシントン支局長を兼任していると副委員長クラス、ということなのでしょうかねえ。
　で、見出しから中身は想像できますが、歴史捏造にたいへん熱心に取り組んでいます。《旧日本軍が性奴隷として約２０万人の朝鮮半島出身女性を強制連行した》って、そんな主張は誰もしていないし。韓国側の主張は「約20万人の従軍慰安婦がいてその多く（とはいえ20万人の部分集合）が朝鮮半島から連行された」だし。シャドーボクシングもいいところです。エド・ロイス米下院外交委員長が慰安婦像の前でひざまずいたことに「中間選挙の票目当て」と非難していますが、民主主義国の政治家が（選挙区の）多数派の意見に従うのは当然です。カリフォルニア州内の韓国系市民は従軍慰安婦事件を問題だと考え、日系市民の多くも問題だと考えるか、少なくとも産経新聞の歴史観には賛同しない立場であることからの、当然の結果でしょう。《国によって歴史観は異なる》と言いながら（ごき言い分が正しいかどうかはさておき）、《日本からみると韓国こそ歴史を歪曲》と断じ（「産経から見ると」の間違いでしょうが）、《米議員には公平な視点を》と続けているのは、矛盾した言い分もいいところですね。要するに、米国議員が自分たちの言い分に従ってくれなければいやだ、と言っているのですから。
　マイク・ホンダ米国下院議員が産経新聞の論調を知っていて、佐々木記者の肩書きを知るや不機嫌になったという話は、面白いですね。これが佐々木記者ではなく古森義久氏だったら、と想像すると、ホンダ氏には悪いのですが笑ってしまいます。真面目な話、産経新聞の報道姿勢が国際的に知られ、忌み嫌われていると判明したことには、注目すべきです。