黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経歴史戦のいったん総括。他。

 4/5分です。産経のアレなとこのウォッチは、本気出すときりがないんですよねえ、これでも教科書検定のネタはパスしてるんですが。

【主張】外国人労働者 安易な移民論と切り離せ(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140405/biz14040503140004-n1.htm

 産経のスタンスを見る上で重要なので、メモだけしておきます。経団連とそれに従う安倍晋三政権の外国人単純労働者(移民)受け入れ論にとりあえず賛同しつつ、本音はネトウヨと同じく移民徹底排斥論というあたりが窺え、たいへん興味深い「主張」になっています。

【解答乱麻】中韓反日宣伝の実態調査し戦略を 明星大教授・高橋史朗(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140405/edc14040508590005-n1.htm

 この「解答乱麻」は教育面のコラムなのですが、新しい歴史教科書をつくる会元副会長で元埼玉県教育委員長(お恥ずかしい)の高橋氏は、問題を根本的に理解していないようです。あるいは、他国との歴史認識に関する争い、歴史戦を教育の現場に持ち込むことが、そもそもの高橋氏の目標なのかもしれませんが。自分たちの思想の宣伝のためにオールジャパンで取り組むべきとか、いろいろと夢が広がりんぐしてますが、おめでたいですね。「慰安婦は『性奴隷』ではない」と言い張ればそのようになる、と信じているらしいですが、言葉の定義も確認せずに思い込みを振りかざすから、つくる会系の人々は世間から馬鹿にされるのです。

【日韓の細道】慰安婦への無知と想像力 「名」と「実」の間の欺瞞 首都大学東京特任教授・鄭大均(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140405/edc14040509150009-n1.htm

 (たぶん)新連載コラムですが、初っぱなから飛ばしまくっていて、今後どんな調子になりますやら。《「日本軍は韓国女性20万人を性奴隷として強制連行し、その多くを虐殺した」などという物語》を《ロスでもパリでもそれを訳知り顔に語るものがいる》そうですが、語っているのは誰なのか、ちょっと連れてきてくれませんか。たとえば米国パリセイズパーク市などの慰安婦記念碑文は「日本軍は朝鮮半島出身者を含む20万人の女性を慰安婦とした、強制連行もあった」というもので、上記の“物語”とはまったく違います。《「名」と「実」の間の欺瞞》を操り、敵を悪辣に見せようとする誇大宣伝をしているのは、この場合鄭氏の方です。だいたい、なんでパリが出てくるのかわかりません。鄭氏は、従軍慰安婦問題の展示がされたフランスのマンガ祭が、パリで開催されたとでも思っているのでしょうか。ここにも上記高橋氏と同じく、思い込みだけでものを語る恥ずかしい人がいました。鄭氏はまた、植民地支配とジェンダーを組み合わせた“物語”が想像力を介し《迷信》として欧米に受け容れられているから払拭するのは容易ではない、みたいなことも言っているのですが、従軍慰安婦問題をあくまで架空の出来事ととらえるのは、現実を直視しないにもほどがあるでしょう。

【歴史戦 第1部(5)前半】元政府高官 慰安婦調査について「質は低い」(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140405/plc14040509270004-n1.htm

【歴史戦第1部(5)後半】「日本と日本人の名誉ために正面から戦っていくしかない」(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140405/plc14040513080011-n1.htm

 とりあえず第一部終了で一区切りのようですね。担当は有元隆志、阿比留瑠比、是永桂一、田北真樹子、田中靖人、上海・河崎真澄、シンガポール・吉村英輝の各記者でした(シンガポールで取材した話なんかあったかな)。予想どおりの面子というか。五十音順ではなく有元記者がキャップなのでしょう。
 いままで、河野談話作成の背景を産経新聞にリークしてきた人物は匿名の「元政府関係者」とされてきましたが、この(5)前半で美根慶樹氏の実名と顔写真が掲載されています(リークのすべてが彼ではないにしても)。当ブログでは一般人の名前はできるだけ書かないようにしているつもりですが、今回は特筆しておきます。
 河野談話のもととなった元従軍慰安婦への聞き取り調査に関して、《肝心要の誰に強制されたかは判然としない》というのは、産経の記者が問題の本質を理解していないからでしょう。《裁判などに耐えうる証拠ではない。質は低い》という発言は、美根氏がなにか勘違いしているのだろうと思います。情報を引き出すことと、突き詰めることは違います。聞き取り調査では、より多く引き出すことが最重要であったことは、言うまでもありません。ただし、美根氏は河野談話を評価する立場だそうです。産経記者の誘導尋問に引っかかっているのは情けないですが。
 (5)後半ではこのほか、国会などで強制性を認めなかった官僚として石原信雄氏、平林博氏、東良信氏の名前も挙げられており、平林は産経寄りのコメントも発しています。《本人の意思に反した事例が数多くあるのははっきりしている》という河野洋平官房長官(当時)の発言を《河野個人の見解にすぎない》と切って捨てることで、あたかも客観的に強制性がなかったかのようにでっち上げているのですが、「精神的な強制性があった」という事実(かつ河野氏の見解)には、なんの反論にもなっていません。連載の総括として、およそ予想どおりの内容でしたが、産経新聞および取材陣の、この問題に関する理解力のなさを明確にしただけの結果でした。やれやれ。