黙然日記(廃墟)

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ラーメンに卵。

 松本零士の「四畳半」ものを読むと、ラーメン(もちろんラーメンライス)に生卵を入れる描写が多い。というか、子供のころ読んであまりに旨そうな描写が強く刷り込まれただけで、回数としては多くないかもしれないんだけどね。膨大な作品群を全部読んだわけでもないので。当時は外食は贅沢だったし自分で本格的なラーメンを作ることもできなかったので、「ラーメンライスにタマゴ!」は憧れの食べ物であった。
 大人になって時代も移り、袋入り生ラーメン等でそれなりのラーメンを自作できるようになってから、もちろん必ずのように生卵を入れるようになったわけだが、やはり旨い。醤油味で熱々のスープに落とした卵がだんだんふんわりと半熟になっていく味は、月見そばなどでおなじみの方も多いだろう。
 ところが。これを外食で味わうことはかなり難しい。
 「四畳半」シリーズに登場するラーメンライスは、もちろん、昔ながらの東京ラーメンであろう。ぐぐってみたところ、徳島ラーメンなど一部の地域ではラーメンに生卵を入れるのが普通らしいが、東京の普通のラーメン屋で生卵をトッピングできる店はかなり少ない。とんこつ系ではいくらか例があるようだが、東京ラーメンの店ではまず提供されていない。トッピングとしてゆで卵を用意している店はかなり多いし、純粋なラーメン専門店以外では少なくともチャーハン用の生卵が厨房にあるだろうと思うのだが、なぜそれをそのままラーメンに落とすことができないのだろう。ゆで卵と同価格で(たぶん50円ぐらいだろう)生卵ラーメンを味わえるなら、別に文句はないのだが。むりやり注文すればいいのかもしれないけどなあ。
 インスタントラーメンなら、卵(や野菜)を加えることが「作り方」にも指導されているし、チキンラーメンなんかわざわざ卵ポケットを用意してあるのだが、なぜこれが外食のラーメンでは食べられないのだろうか。謎だ。