黙然日記(廃墟)

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原作リメイクと花森ぴんく。

 ひさしぶりに[watch]とぜんぜん関係ない、平和なというか純粋におたくとしてのエントリです。興味ない人は読み飛ばしてください。
 来月発売の「なかよし」5月号から手塚治虫リボンの騎士』をリメイクして『サファイア リボンの騎士』が始まるようです*1。その作者が花森ぴんく(シナリオ:高橋ナツコ)で、絵柄がぜんぜん違う、ひどすぎる、と一部で大騒ぎになっているんですが、別にいいじゃんねえ。『ブラックジャック』(『ALIVE』他)とか『PLUTO』だってあそこまでアレンジされているんだし、今の手塚プロの方針はそういうことなんでしょう。先生がご存命だったらどうおっしゃったかはわかりませんが――「いや、若い人に任せるぐらいなら自分で描きます」と張り切ったんじゃないかと思いますが(笑)。
 サファイアのイメージがまったく違う点については、花森ぴんくは連載4本目ですが、基本的に金髪巨乳のヒロインしか描いてない(描けない)人なので*2、起用の時点でそれは織り込み済みと見るべきでしょう。リメイク企画先行ならば、今のなかよしでこれを描ける作家は彼女しかいないと思うし。小鷹ナヲを推す声も見かけまして、たしかに作風としては合っているかもしれませんが、ディズニーリメイク作品のあと手塚リメイクじゃあんまりだ(笑)*3安藤なつみの手が空いていたらとか、えぬえけいならどうか、というのはちょっと考えどころですが。
 話は少し戻りますが、「なかよし」のリメイク作品で20年前に大人気だった竹本泉版『あんみつ姫』だって、原作の倉金章介版に比べたら物凄いアレンジをされて別物になっていたわけで、時間の経過というのはそういうものじゃないんでしょうかね。ここまでに挙げたリメイクの例は、いずれも作品として成功していた(いる)とわたしは評価しています。『サファイア』がどうなるかはわかりませんけどね。基本的にわたしは花森ぴんくを評価しているので(ちゃんとしたシナリオを付ければ、の話ですが)、期待しています。「なかよし」の今の作家で(昔からでもありますが)全身のデッサンが取れる人は少ないしねえ。現時点での反発は、元から花森ぴんくを嫌っている層の声が大きいんではないか、と見ています。男性向けの(わかりやすく言えば“萌え"系の)流れが入った絵柄だから、小学校高学年以上の女性少女マンガファンには嫌われるのかもしれませんね。*4

*1:デジなか−来月のまんが http://games.nakayosi-net.com/manga/index3.html

*2:『ゆめゆめ☆ゆうゆう』ではヒロインが貧乳コンプレックスという設定でしたが、これは妹との対比のためで、普通に言えば十分なレベルのキャラデザインでした。今回も設定上、また予告カットを見るかぎり、貧乳というか少年体型ですが、始まったらどうなることやら。

*3:実際は今月号からまたディズニーものの新連載を始めています。

*4:このエントリについて。マンガ家やクリエイターの名前は呼び捨てが慣例のようなのでそれに従いました(手塚先生だけは個人的に別格)。最近は言論人や政治家の名前を書く機会が多くて「〜氏」と表記することばかりだったので、呼び捨てで書くとなんかすごく悪いことをしているような気分になりました(笑)。