黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経の見出し感覚。他。

 数日前ですが、今年のトンデモ本大賞を、文部科学省発行の道徳副読本が受賞したという、心温まる話題がありました。下村博文文部科学大臣、おめでとうございます。教科書(に準じるもの)の受賞は初めてだそうですが、扶桑社・育鵬社の歴史教科書はノミネートぐらいされていてもいいと思うのですが、『トンデモ本の世界』等が扶桑社文庫から出てるようじゃ無理か。

「●●●●●」少女らにみだらな発言疑い 自称消防士を逮捕 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/west/print/150730/wst1507300010-c.html

 当方の判断で、見出しを一部伏せ字にしました。その《みだらな発言》をそのまま見出しにするセンスが信じられません。そんなにページビューを稼ぎたいのでしょうか。

【主張】熱中症対策 原発停止の夏に終止符を - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150730/clm1507300002-c.html

 上にも触れたように、利用できるものはなんでも利用する産経新聞です。熱中症対策で、なにより必要な水分の補給と冷房の適切な利用はだいぶ周知されてきました。あとは、冷房の「適切」の範囲です。産経「主張」は「遠慮せずにガンガン使え」とふざけたことをいっていますが、何度もここで述べたように、スイッチを入れたらあとは室温を28〜30℃に設定すればいいのです。あとは他の対策を併用すれば熱中症は防げるし、電気代も(つまりトータルの使用量も)驚くほど節約できます。こういう常識的なことを書かずに、ただ《積極的に冷房を使》えというのは、都市圏の大規模停電を願っているとしか思えません。原発が停止した状況で大規模停電が起きれば、「それ見たことか」と言えるからです。ここ何年も夏になるたびに産経はこのキャンペーンを繰り広げていますが、思うようにはいかないみたいですね。2013〜14年と原発なしの夏を、なんとか乗り切ってきました。準備ができていなかった2011年の夏(東電の柏崎刈羽原発は稼働していました)の再来は、どうやらなさそうです。
 夏の電力消費対策が現状で完璧だとはいいませんが、少なくとも産経「主張」は、この「それ見たことか」作戦の愚かしさをそろそろ学習するべきではないでしょうか。