黙然日記(廃墟)

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産経の憎しみが向かう先。他。

 Windows 10のアップグレードが始まったらしいですが、うちにはまだ来ません。ドライバが揃うか不安だから、まだ来てもらっちゃ困るんだけど。

【政界徒然草】国会前デモに集まるヘイトな人々 「あなた公安でしょ?」 記者はマスク姿に詰問され… - 産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/print/150729/prm1507290004-c.html

 《あなた公安でしょ》がトレンド入りしたりして注目の記事ですが、ここでは「ヘイト」という言葉に着目します。ヘイトクライムはもっとも憎むべき犯罪であり、ヘイトスピーチはそこへの道筋をつける発想であって、あらゆる合法的手段で排除せねばなりません。場合によっては「合法」の範囲を変える、つまり(言論統制の一種である)ヘイトスピーチ禁止法を導入してさえも。そこには、人権と人権が衝突する、ぎりぎりの選択があるのです。
 それだけ深刻な問題である「ヘイト」という表現を、ある種の人々は気軽に使い始めています。英語の"hate"には幅広いニュアンスがありますが、日本語の「ヘイト」は前述の「ヘイトクライム」「ヘイトスピーチ」で導入された表現です。それを、「野党や支持者が安倍晋三政権を批判するのも、嫌っている(hate)んだから『ヘイト』の一種だろ」と言い出した連中がいるのです。どういうつもりなのか、人権という観念を実感できない馬鹿なのかもしれませんが、「ヘイト」という表現を軽くすることで、ヘイトクライムヘイトスピーチへの垣根を低くする意図があるのではないか、と穿っています。知るかぎり、「ヘイト」を軽く扱おうとする輩は、いまにもヘイトスピーチをしたくてたまらない輩と重なっているので。
 そこでこの、産経の記事です。見出しの《ヘイトな》もそうだし、本文にも《倫理的に問題のある「ヘイトスピーチ」といって過言ではない》という表現があります。いったい、意味がわかって書いているのでしょうか。「アベは辞めろ」というシュプレヒコールのどこが、民族・人種べき差別発言に当たるのか、この記者を公の場で糾弾したい気持ちなのですが。この記者は、メダカ並みのすくえない馬鹿なのか、馬鹿という言葉では足りない憎むべき差別主義者なのか、どちらなのでしょうか。あとものすごくどーでもいいけど、この記者、歩きスマホを自白していますね。署名記事ではありますが、武士の情けで田中一世政治部記者の名は伏せておきます。

【歴史戦】日本の市民団体が慰安婦セミナー、ジュネーブで開催 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/world/print/150729/wor1507290030-c.html

 「プリウスハイブリッドカーではなく自動車だ」と主張している人と同じような目で見られるのではないでしょうか。

【主張】「合区」導入 統治機構論に踏み込め 選挙審で両院制度の見直しを - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150729/clm1507290002-c.html

 重要なテーマなので、こっちにもちょっとだけ触れておきますね。
 1票の格差は、1.0に限りなく近づける必要があります。それが、参院選地方区では都道府県単位を優先して合区できないという理由で、5.0に近い1票の価値の格差がまかり通ってきました。それがどう見ても違憲状態だ、いやもうはっきり違憲だ、選挙無効だ、という判決が相次いだために、ようやく国会も重い腰を上げました。しかし、自民党と維新の会等4党の「合区を最小限にして格差を3.0以下にする」という案がまかり通ってしまい、公明党民主党の「ほんとは大選挙区制がいいんだけどとりあえず大幅に合区して2.0以内に抑えてみました」案は、退けられてしまいました。ぶっちゃけ、2.0はなんとか許容されていますが(本当はおかしい)、5.0に根拠がなかったのと同じように、3.0にもまったく根拠はありません。既得権益の保護という理由以外には。自民党や維新の会が、1票の格差解消、法の下の平等という、法治国家の大前提をなめてかかってるのは明らかです。