黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の科学技術観。

 なにもう7月末? 聞いてないよ。

【主張】活断層調査 規制委「3年見直し」急げ - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150728/clm1507280003-c.html

 科学技術は、「安全な方に倒す」という選択をします。オートバイのスロットルレバーは、握っている間だけエンジンが回って、なにかの事情で手を離せば止まるように設計されています。中学の技術科で使った旋盤も、手を離せば止まりました。これが逆だったら、つまり力を抜くと高速になるように設計されていたら、危険であることは誰が考えてもわかるはずです。
 原子力発電所も科学技術の産物ですから(そのもっとも醜悪な側面からの派生物ですが)、安全な方に倒さなければなりません。オートバイよりも旋盤よりも、どんな科学技術の産物より、それはシビアに要求されます。地面の下に危険が潜んでいる可能性が、ほんのわずかでもあるのなら、それは安全の側に、つまり原発停止の側に倒す必要があります。少しでも科学的にものを考える訓練をしていれば、当たり前のことです。産経「主張」は科学も技術も知らないので、こういうことが理解できないのでしょうけれども。あと、「金儲けしたい企業を第三者が引き留める」というシステムの重要性も、わかっていないようです。たぶん、労働基準局も金融庁も不要だと考えているのでしょう。
 産経論説委員は、手を離すとカッ飛ぶバイクにでも乗って、ブラック企業にでも突っ込んでいくといいですよ。