黙然日記(廃墟)

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産経古森氏のSM史観。

 オペラというものがあまり得意ではないんです。ワーグナーの楽劇は比較的好きなんですけど。ワーグナー以後、楽劇と名乗るものって、あんまりありませんよね? あってもいいと思うんですが。

【緯度経度】「マゾヒズム歴史認識の名残」ゆがみに満ちた村山談話継承は論外 古森義久 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150627/clm1506270007-c.html

 自省史観がマゾヒズムなら自慢史観サディズムです。性的少数者の権利を守りましょう。ただ、一方的なマゾヒストは周囲に(あまり)迷惑を掛けませんが、一方的なサディストは暴行罪や傷害罪などに問われることがあります。露出症者は、欲求をそのまま実現すると陳列罪とかになってしまうので、ヌーディストビーチや露天風呂での疑似体験で、社会の許容範囲内で満足しています。小児性愛者も同じです。古森氏らの自己満足的サディズムも、(国際)社会の許容範囲内で満足してもらわねばなりません。
 ワーグナーで思い出したのですが、古森氏の大好きな米国でも、「ヴェトナム戦争は間違っていた」という考え方が目立ちますよね。「共産主義から自由主義を守る」という大義名分は正しかったとしても、負けた戦争はやはり、戦争という行為そのものが間違っていると痛感させるところがあるのです。これはけっして、自虐ではないと思いますが。
 さてこのコラムは、日清・日露戦争を経ての台湾・朝鮮の植民地支配が間違っていた、という村山談話の認識は自虐的だ、と断じています。勝った戦争ではありますが、侵略戦争に間違いはないでしょう。特に日露戦争を古森氏は、ジェーソンモーガン氏の発言の引用として《日露戦争はとくにロシアの朝鮮半島侵略を防ぐ防衛の戦いだった》としています。1904年当時、朝鮮は日本の領土ではなかったのに、なぜ朝鮮防衛が日本の防衛戦争になるのか。朝鮮半島の支配権を(両者ともに)争う、侵略戦争としか言えないではありませんか。こういうゆがんだ、サディスティックな歴史認識を披瀝して、「日本のサンケイ新聞コモリ記者がまた妄言」と海外から非難されるような迷惑を、日本に掛けないでもらいたいものです。