黙然日記(廃墟)

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産経抄、知恵がない。

 セブンイレブンの厚切りハムカツ。

産経抄】敵は日本国? 4月6日 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150406/clm1504060004-c.html

 「橋本龍太郎氏には、普天間飛行場移設問題を前に進める知恵があった。安倍晋三首相には知恵がない」と言われたことが、抄子にはよほど堪えたと見えます。事実を指摘されて取り巻きが憤る、安倍政権ではおなじみのパターンですね。テレビニュースショーの「知恵がない」というコメントを頭から否定し、自称作家の*1「現沖縄県知事親中派」という非常に偏った決めつけを所与のものとして扱う態度は、およそ社会の公器とは思えません。
 専制君主国家とはなんでしょう。君主の所有物です。では、民主国家とはなんでしょう。国民の所有物であります。「日本」ではなくわざわざ《日本国》と書いているのですから、当然それを踏まえた上で、民主日本について語っているものだと思われます。民主日本において最優先されるべきは(地域)住民の意思であって、総理大臣のメンツや思い込みでありません。国家が国民の意志に従わず暴走するとき、国民は革命(天命=政権を革める)で国家政権を変更する権利を持ちます(もっとも穏健な方法は、選挙を通した政権交代です)。所有物ですから必要以上に敵視することはありませんが、いわば仮想敵として常に監視している必要があることは、何度も繰り返してきました。「国家は国民にとって敵になり得る」という、近代以降における確固とした観念は、「国民は国家の所有物、まして正当な血脈に彩られた安倍様の政権に逆らうことなど許されない」という、前近代的な国家観をいまだに信奉する産経新聞には、想像もできないことなのでしょうか。智恵というものがないのですね。

*1:当該人物がどういう活動をしているのか知りませんが、「作家」という肩書きは曖昧すぎて嫌いです。その人は映像作家なのですか陶芸作家なのですか。