黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の映画観。

【主張】米ソニー映画中止 表現封じる脅迫を許すな:イザ!

http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/141220/clm14122005030002-n1.html

 国家間サイバーテロだ、とかいう話はさておいて、テロ(恐怖)による表現封殺は許しがたいものであります。その点では産経新聞「主張」に賛同しますが、同時に、コメディとはいえ、また敵対国の指導者とはいえ特定の人物の殺害を予告するような映画も、そもそもどうかと考えます。チャールズ・チャップリンの『独裁者』は、架空の国の独裁者を描くことで、アドルフ・ヒトラーの危うさと同時に独裁の本質を描き出すコメディでした。こうした傑作を、今のハリウッドに求めてはいけないでしょうか。
 「主張」に戻りますが、「脅迫に屈するな、映画は公開すべきだ」といわんばかりの主張にも疑問が残ります。それで万が一のことがあった場合、産経新聞が責任を取ってくれるのでしょうか。見出しの《ソニー映画》という表現も疑問です。SPEが日系企業の子会社だからどうの、という問題ではないでしょうに。