黙然日記(廃墟)

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産経、歴史戦で運動機関紙化。

 7/28分です。その昔、「北海道では納豆に砂糖を入れて食べる」という話を信じられない思いで聞いていたものですが、そのころの関東では納豆に醤油しか入れていませんでした。今、みんな平気で甘いタレを入れて食べていますよね。わたし自身は今でも醤油(と辛子と刻み葱)だけで食べていますが。

【歴史戦 第4部 利用される国連(下)前半】声を上げた保守系市民「慰安婦の実像知って」+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140728/plc14072807580003-n1.htm

【歴史戦 第4部 利用される国連(下)後半】反論不在の「空白の22年」、築かれた“左派系の牙城”崩す時+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140728/plc14072812130008-n1.htm

 タイトルがますます長くなっていきますね。《慰安婦問題が世界に広まっているのは、左派系市民団体が国連に働きかけているのが原因だ》という東京の主婦の表現が、今回の連載のコンセプトを端的に示しています。主婦といっても、右派系市民グループなでしこアクションの代表者ですから、「普通の主婦が立ち上がった」とは言えません。今回の記事は、彼女たちが国連でロビー活動をしようとしたけど手続きを知らなくて失敗したでござるの巻。当日会場に資料を持ち込んだだけで会議で発言できるほど、国連という場が甘くないことぐらい、想像できなかったのでしょうか。その資料というのが礼によって、「高給をもらっていたから奴隷ではない」。意見表明の自由は誰にでもありますが(ここ重要)、聞かされる方の身にもなってほしいものです。彼女たちがやっていることは、国際物理学会で「時間の流れが変わるなんて信じられないから相対性理論は間違っている」レベルの発言を公式にしようとしているのと同じです。文科系でたとえるなら、「スピード違反は誰でもやっているじゃないか、道交法が間違っている」と国会の場で発言しようとしているのに近いかもしれません。法律論にもなりゃしません。もちろん、意見表明の自由は大切なのですが(ここ重要)、その濫用は混乱と自由の価値の低下を招く結果になります。
 まあこのようにして、左派・リベラル系が国連の議論を支配している(繰り返しますが、人権を守ることがリベラルならリベラルが当然です、右派の意見表明の自由を含めて)、だから自称保守、自称普通の国民である右派が声を上げて国連に乗り込んでいかねばならない、というのが、この記事の主旨です。ここで重要なのは、産経の田北真樹子記者は、この結論になんの疑問も示さず、運動を鼓舞していることです。これではまるで、運動機関紙ではありませんか。もちろん産経がジャーナリズムではないことはいまさら言うまでもないのですが、ここまであからさまに特定の市民運動に肩入れする記事が載っていることに、改めて愕然とします。