黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経のツアー観。他。

 『帰ってきたウルトラマン』は、後番組『ウルトラマンA』のあたりから「新マン」、'80年代のマニア間での再評価から「帰りマン」と呼ばれ、今はウルトラマンジャックという立派な名前を持つウルトラ兄弟ナンバー4ですが、番組本放送当時は、「あの」ウルトラマンが地球に帰ってきた、というコンセプトで作られ、視聴者にもそう受け止められていました。ゾフィーも単なるマン上司で、ウルトラヒーローといえばウルトラマンとセブン(とキャプテンウルトラ)しか存在していなかった、そんな時代がけっこう長い間続いたのです。『A』がテコ入れで『ディケイド』的な全肯定作品になったためにウルトラ兄弟のなどの設定が付け加わりましたが、あのまま「ウルトラマンは一人しかいない」という世界観が続いていたら、どうなっていたでしょうかね。

産経抄慰安婦ツアー 7月23日+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140723/edc14072303260001-n1.htm

【主張】教組ツアー 教育の場にふさわしいか+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140723/edc14072303280002-n1.htm

 従軍慰安婦について学ぶ教組主催のツアーがとにかく気に入らない産経です。ストレートニュースではツアーそのものについては批判を控え旅行業法違反だけを攻めていましたが、オピニオン欄では「ツアーけしからん」の大合唱です。社説で取り上げるような話題ですかね。他紙ではあり得ない、産経ならではと言えましょう。
 他者の考えを知ることは、必ず自分にとって役立ちます。「役立てる」という意識があってのことですが。従軍慰安婦問題についてさまざまな視点を知ることが、役に立たないはずはありません。他者とまともな議論をするとき、相手の考えを知っておくことは必須条件です。どんな議論法でも、相手を知らなくていいなんてことはあり得ません。相手を理解しようとしないのは、議論にまともに向き合う気がないのだ、そもそも議論をする気がない、自分の意見だけを押し通す気だ、と言われても、しかたないでしょう。

慰安婦ら、像撤去訴訟で棄却求める 6基目の碑除幕式に出席も - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140723/amr14072321270004-n1.htm

 ロサンゼルス支局の中村将記者が、仕事をしています。世間には通用しない仕事ですが。見出しが記事の内容をすべて要約していて、整理部もいい仕事をしていますね。それだけ記事の内容が薄い、ということも言えますが。

【編集日誌】危機に瀕する「五島」のいま - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140723/plc14072307300008-n1.htm

 乾正人編集長兼編集委員室長が、部下である宮本雅史編集委員の連載「島が危ない」の宣伝をしています。記者としては宮本記者の方がずっと格上なんですけどね。

【島が危ない 第3部 五島列島 かすむ国境(中)】遠のく本土、近づく中韓 過疎化と物価高が演出+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140723/plc14072312320017-n1.htm

 その「島が危ない」。離島だから、免許を取るにも試験を受けるにも本土に渡らねばならない、それだけでハンディを背負っているんだ、という島民の主張は、理解できますが、どうしようもないところでしょう。また、福江島から長崎 福岡*1まで飛行機で18000円かかる、と言われても、地図で見てあの距離で飛行機を使うという発想が、関東平野の人間にはわかりません*2。《フェリーなどの航路があるが〔中略〕今では長崎への便で1万円を超えた》という記述に目を剥いて、そんな馬鹿なとYahoo!路線で調べてみたら、長崎港−福江港は超高速船で1時間45分片道6,330円、フェリーで3時間55分片道2,740円でした。おそらく宮本記者は、自動車料金を含めたフェリー料金を書いているのだと思いますが、ほとんど詐欺みたいな文章ですね。いつものことですが。なお、どこの県内だって、端っこから県庁所在地まで1時間半や2時間、2〜3千円なんてのは相場です。念のため、免許取得に県中央部の免許センターまで行かなきゃいけないのも、どこの土地でも同じです。3〜5年ごとの更新のために本土に行く必要があるわけでもないでしょう。ともあれ、島から本土までどんな方法でも1万円以上かかるように見せかけた宮本記者の詐術は許すべからざるものがあります。格が上でも、落ちぶれるときはとことん落ちぶれるものですね。

*1:コメント欄でのご指摘により修正。

*2:関東の民間空港は羽田、成田と最近隅っこの方にできた茨城空港しかないのと、鉄道が十分に発達しているので、伊豆諸島を除く域内やまして県内を飛行機で移動しようという発想が出てこないのですね。