産経「主張」の記憶遺産観。

　6/16分です。ピンクレディーの米国進出は失敗のように言われていますが、デビューシングル『Kiss in the dark』は全米37位だったので（ビルボードTOP40入りした日本のアーティストは他に坂本九だけ）、結構な成功を収めたと見るべきではないでしょうか。なぜ後が続かなかったんだろう。

【主張】記憶遺産と反日　中国の「歪曲」事実で正せ（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140616/chn14061603060001-n1.htm

　もはや、なにを勘違いしているのかもわかりません。ユネスコの世界記憶遺産を、産経「主張」はなんだと考えているのか。……うーん。とりあえずわたしの考えるところではそれは、人類の歴史上の文献を正の遺産も負の遺産も受け継いで、反省も含めて未来に資するものにしていこう、というプロジェクトです。マイナスの部分を見つめ、反省することで、人間は、人類は、発展していきます。それがなくては、前進はできないのです。こんな道学者みたいなこと、一介のブロガーが大新聞に対してお説教するような話ではないと思うのですが、産経「主張」がこのあたりまえの事実を認識していないとしか思えないので、しかたありません。南京大虐殺があったことも、従軍慰安婦がいたことも、客観的な事実です。その規模についてまだ議論は成り立つとしても、「ゼロ」という結論がすでに排除されていることは明らかです。両事件の記憶遺産への登録そのものが嫌だとしか見えないのですが、一方で『アンネの日記』登録は肯定しているのですから、ますます理解不可能です。事件があったこと、議論があることは踏まえて、その議論のための貴重な一次資料を記憶しようという行動の、どこが《政治的》なのでしょうか。登録を排除しようとする行為こそ、政治的と言わざるを得ません。情けないのは、産経新聞だけでなく日本政府（安倍晋三内閣）までもが、この記憶遺産への登録申請に抗議しているという事実です。日本人が馬鹿だと思われるからやめてください。つーか辞めて。