黙然日記(廃墟)

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櫻井よしこ氏の詐術。

 歌謡曲も特撮ソングも含めて作詞家の山川啓介氏の大ファンなのですが(語り始めたら異様に長くなってしまったので略)、井出隆夫名義で「にこにこぷん」の原作・脚本も手がけていらしたと知り、ラジオの前でムチウチになるぐらいの勢いでのけぞってしまいました。

櫻井よしこ 美しき勁き国へ】TPP 大胆な決断必要 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140505/plc14050503190004-n1.htm

 バラク・オバマ大統領のアジア歴訪では軍事面のコミットメント宣言が目立ったが、それにもかかわらず米国は内向きになり、アジア太平洋における軍事的プレゼンスを低下させつつある。それをフォローするのが同盟国間のTPPだ、という話の流れに、頭が痛くなってきます。話がぜんぜんつながっていません。軍事と経済の区別もつかないのでしょうか。TPPにはアジア太平洋の重要なプレイヤーであるオーストラリアが参加していませんが、どう説明するのでしょうか。ベトナムが参加していることは、ガイアツによるショック療法で一党独裁の腐敗を変革して中国に対抗するのが狙いだ、と解説していて、多少はわからなくもないのですが、もちろん軍事とはなんの関係もありません。
 TPPのルール作りで日本が主導することが望まれる、《TPPの戦略的意味を十分に踏まえた首相の国家観を表していると思う》と、安倍晋三氏への信仰告白も忘れていません。コメの減反政策を否定しながら豚肉は農家への直接補償を勧めているのも、矛盾めいています。TPP参加が農業を含めた国内産業の利益になる理由をなにも説明せず、ただ推進、推進で押し通し、それが軍事的利益にもなるかのようなラップにくるんでいるのは、なんの詐術なのでしょうか。