黙然日記(廃墟)

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産経歴史戦のやる気なさ。他。

 5/4分です。プリキュア500回ありがとう。烈車合体DXトッキュウオーの、お父さん向けのCMがあるのですが、あまり話題になっていないようですね。玩具をきっかけに親子の対話をしよう、という内容で、商品宣伝としては切り口が違っていて良いと思うのですが、『トッキュウジャー』の中で放映してもお父さんまともに見てないし、まともに見てるお父さんはすでにトッキュウジャーで対話してるだろうし*1、難しいですけどね。

【歴史戦】プロパガンダを分析 外務省内部文書 中国はメディア活用 韓国は地方から展開(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140504/plc14050409000001-n1.htm

 外務省が中国と韓国の対外宣伝戦略を分析して、負けてはならじ、日本ももっと対外宣伝に力を、ついては外務省に予算よこせ、という文書を産経新聞が入手したそうです。是永桂一記者の署名記事ですが、外務省が是永記者をうまく利用している観もありますねえ。中韓の対外宣伝戦略を分析するならそれ以外の国の戦略も研究しているはずですが、産経記事にそんなことはこれっぽっちも書いてありません。「歴史戦」という狭いせまい視野でものごとを見ているから、他人のしていることの意味がわからないのでしょう。
 中国は中央レベルで宣伝戦略を繰り広げているが韓国は地方から、というのは要するに、中国は国家レベルで宣伝戦をやっているが韓国にそんな国家戦略はなく、民間の草の根運動が実を結んでいるだけだ、と考えるべきでしょう。日本も同じ民主国家なので、官民一体の宣伝戦などできるわけがありません。やるんなら産経が主体になって、英語などで地道に対外発信を続けていくしかないわけですが、それをやる気はあるのでしょうか。能力もなければ、そもそも「自分がやらねばならない」という意識さえ産経にはないように見受けられます。まあ結果として幸いなことですが。

【「国民の憲法」英訳版発表】英訳版に反響 「軍の位置づけ」に評価 意義ある海外への発信 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140504/plc14050408210002-n1.htm

 その、産経の数少ない対外発信の有様について。先日に引き続き、海外から寄せられた絶賛の超えを紹介しています。おそらくMSN産経ニュースのページにリンクされたTwitter経由の発言でしょうが(めんどうなので確認していません)、米国からの反応ばかり紹介しているのはどういうわけでしょうか。また例によって、自紙読者からの絶賛の超えを記事にするという、恥ずかしげもない行動に出ています。さらに、5月3日の改憲集会で百田尚樹氏が産経の論調そのままみたいなことを言い、船田元氏や浅野一郎氏の好評価も載せているのですが、ソースが偏りすぎですね。

【「国民の憲法」英訳版発表】米ジョージタウン大教授 ケビン・ドーク氏「調和取れた立憲君主憲法」 日大教授 百地章氏「積極的平和主義に立脚」(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140504/plc14050409310003-n1.htm

 こちらはもっと恥ずかしい。日米の御用学者に感想を述べさせています。ドーク氏は産経の紙面でもおなじみの方で、こういう人脈だけは産経も豊富ですね。そのうちジェームズ・アワー氏も登場するんじゃないかな。天皇を元首と定義した立憲君主制に強く言及しているのは、本音では共和制あってしかるべきと考えている証拠ではないでしょうか。
 第一報で並べた海外識者の反応について百地氏に論評させているのはもっと恥ずかしくて、百地氏は産経御用学者どころか「国民の憲法」起草委員会のメンバーです。要するに、自分の仕事への評価をまた述べさせているわけで、なんのニュース価値があるのでしょう。

*1:「トッキュウピンクは可愛いねえ」「ピンクじゃないよ、5号だよ。1号と乗り換えるんだよ「ほう、男を乗り換えるのか。見た目に似合わず……」などと、微笑ましい会話が弾んでいることでしょう。