黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の物忘れ。

 5/2分です。春キャベツと春ニラは食べなきゃ損です。

【正論】国民の憲法1年 「集団自衛権」蘇らせた砂川判決(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140502/plc14050203130005-n1.htm

 西修駒沢大学名誉教授です。まず、砂川判決が集団的自衛権を認めているかを論じているのですが、どうやら西氏は日米安全保障条約を読んだことがないようです。「判決が合憲とした安保条約は集団的自衛権の範疇なのだから、これは集団的自衛権を認めたものだ」という解釈は間違っています。なぜなら、日米安保条約は米国の集団的自衛権は含んでいますが、日本には軍事力行使を求めてはいないし、そもそも日本周辺以外の状況を対象にした条約ではないからです。安保条約があるから集団的自衛権行使は容認される、というのなら話は簡単で、いままでこんな議論になっていません。砂川判決は集団的自衛権に言及していますが、保持していることを確認しただけで行使を容認しているとは言えません。従来の内閣解釈と同じです。《「わが国が武力攻撃を受けたら助けてほしい、しかし貴国が武力攻撃を受けたら憲法上、助けることができません」という態度》は、米国も認めた上で安保条約が結ばれているのですから、別に問題とするにあたりません。改定安保条約の締結はご存知のように1960年、日本自衛隊が実質発足してから10年後ですから、米国は自衛隊の戦力をあてにすることもできたはずなのに、憲法があるからそれはしなくていいよ、かわりに基地は提供してね、と双務的な条約を定めたのです。ちなみにこの西氏の「正論」は集団的自衛権の話がもっぱらで、産経「国民の憲法」一周年には一言も触れられていません。制定委員自らが、1年もすると忘れ去ってしまうようなものだったのですね。