黙然日記(廃墟)

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「産経抄」「主張」それぞれのうろたえ。

 4/26分です。日本から世界文化遺産に推薦するなら、秋葉原電気街こそふさわしいのではないかと思います。おたく街はまだ早い。

【主張】日本船の拘束解除 対中危機認識甘くないか(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140426/plc14042603220003-n1.htm

産経抄】立ち向かうときがきた 4月26日(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140426/plc14042603180002-n1.htm

 いやあ、ウォッチのしがいがありますねえ。日本貨物船差し押さえが判明した時点では「中国政府による戦後賠償請求だ! 日中共同宣言違反だ!」と息巻いていました。安倍晋三政権の菅義偉官房長官までそんな姿勢だったものですから大笑いでしたが(いや笑い事じゃないんですが)、どうやらそうではない、中国政府も民事訴訟扱いしているということがわかって、振り上げた拳の納めどころがわからずむちゃくちゃになっています。愉快だなあ。
 「主張」と「産経抄」が、ここで別れます。「主張」は、自分が言っていたことには口をぬぐって《政府の対応に問題がなかったわけではない》と、政府だけの責任にしています。軽挙妄動そのものの安倍政権の姿勢に重大な問題があったのは確実ですが、そのお先棒を担いで大騒ぎしていた自分たちの責任は、どうなっているのでしょうか。事態の本質を自分の目で見ず、政府発表に従った日本の各種マスコミも情けないところですが、その筆頭が産経新聞でした。
 「産経抄」はなお面白くて、自分の責任を棚上げしない代わりに、いまだに「これは歴史戦だ、対中国戦だ、日本臣民よ立ち上がれ、撃ちてし止まんお国のために死ね」と煽っているのですから、手のつけようがありません。どうやらいまだに本気で、これが民事訴訟の問題であることを理解していないようです。これは「主張」にも共通するのですが、供託金を預けることで差し押さえを解除してもらい、より価値のある財産を取り戻すという普通の行為を、《言い掛かりをつけたヤクザに法外なみかじめ料を払って商売をさせてもらうようなもの》ととんちんかんなたとえを出してその気になっています。「供託金」の意味を理解していないらしく、この抄子はいったいいままでどうやって新聞記事を書いてきたんだろう、という疑問さえ浮かんできます。まあとにかく、愉快な一日でした。