黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の際限。他。

 4/6分です。

【主張】集団的自衛権 危うさはらむ限定容認論(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040603060002-n1.htm

 はい、すっかり集団的自衛権が容認されたと思い込んでいる産経「主張」です。まあ、このまま安倍晋三政権に任せておいたらどうなるかわからないのも確かなのですが。この危機的状況の中で唯一の落としどころと思えるのが、限定容認論です。日本に直接関わることだけ、他国の領域内では認めない、という、一見妥当っぽい限定論なのですが、それならば個別的自衛権で十分対応できるケースがほとんど、いや、すべてではないでしょうか。こうした形で解釈改憲し「集団的自衛権」を認めることで、なし崩しに日本を戦争に巻き込んでいくことになるのではないか、というのが、いちばんの懸念です。そういう意味では、見出しの《危うさはらむ限定容認論》というのは適切なのですが、産経「主張」の言っていることはぜんぜん違いますね。一足飛びに日本を戦争に巻き込まなければどうしても気が済まない、というのです。「危うさ」どころではありません、「アブネー」です、この人は。

【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(1)】ガメラレーダー 日本海の要、接近 中国重鎮の思惑(1/6ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040611310008-n1.htm

 「歴史戦」の連載が一区切りついたと思ったら、忘れたころに「島が危ない」が再開しました。おなじみ、宮本雅史記者です。今度は佐渡島だそうで、島ならなんでもいいのか。そのうち、淡路島か小豆島が危ない、なぜなら中国と海でつながっているからだ、と言い出しかねません。連載最終回は本州島かな。
 確認しておきますが、佐渡島日本海の真ん中にあります。そして、中国は日本海に出口がありません(北朝鮮から港は租借していますが)。佐渡島は淡路島と同じぐらい、中国との国境の島ではないのです。ロシア・北朝鮮・韓国とは直線で結べますが、地元も含め、「国境の島」という意識を持っている人は誰もいないでしょう。
 唐家璇元中国国務委員の一行が、佐渡島の観光道路で紅葉見物して、峠の茶屋で一服した。その近くに空自のレーダーがありました、という話をもったいぶって書いているのですが、なにこれ。宮本記者のいつもの手口ですが、それにしても今回は、呆れてものも言えません。……いやほんと、なに言っていいか思いつかない。「馬鹿じゃねーの」とか書ければ簡単なんですが。
 気を取り直して、その観光に同行していた、チャイナ系日本人の人物が運営する学校法人が、佐渡の道の駅を1円で購入した、という話も、やはりもったいぶって書いています。不採算の観光施設が二束三文で売られるのは、日本国中よくある話で、なぜ新聞で報じる価値があると宮本記者が判断したのか、これも理解できません。もうひとつ、これは予想どおり、在新潟中国総領事館の移設問題を要するに、中国が新潟と佐渡に拠点を作って日本海を支配にかかっているのだ、と言いたいらしいのですが、どうしましょうかね。また、総領事館を例に新潟の中国依存が強まっていると警告しているのですが、新潟がどんだけ広くて強いか、知らないのでしょうか。地縁のない方にはピンとこないかもしれませんが、仮にも本州日本海側第一の都市、最初の政令指定都市ですよ。火のないところに煙を立てるのがイエロージャーナリズムの常套手段ですが、火遊びも大概にしてほしいものです。