黙然日記(廃墟)

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産経古森記者の落としどころ。

 2/23分のエントリですが、22日分から取りこぼしたコラムを。

【緯度経度】「安倍たたき」日米連携の構図 古森義久(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140222/amr14022211050006-n1.htm

 ワシントン・ポスト安倍晋三首相を叩くコラムが載った、朝日新聞と同じ論理を使っている、朝日はWPのコラムを引用して安倍氏を叩いた、こいつらはグルなのだ、というような内容です。WPと朝日が共謀している証拠はないし、そもそも考えられません(古森氏もそう言っているわけではないのですが)。グルになっているように見えるのは結果です。結果には理由があり、この場合は、偶然の一致か、同じ根拠から出発したので同じ結論に達しているか、どちらかです。明らかに後者でしょう、安倍政権が危険なナショナリズムへの道を歩み出し、米国オバマ政権から見捨てられつつあるという結論に関しては。古森氏は、《日本全体が新たな軍事政策でも打ち出したかのように》とか《いまの日本が対外的に強硬になり、挑発的で軍事志向になったという主張には根拠がない》とかとぼけていますが、9条改憲集団的自衛権行使、武器輸出三原則の撤廃などの安倍政権の方針が、それらの道であることは、否定できない事実です。少なくとも軍事的な方針に大きな動きがあることは間違いないのに、とぼけられると思っているせこさが古森氏の言説の特徴です。朝日新聞(に代表される安倍政権批判の動き)が《日本の政権のあり方よりもまず米国追従の日米関係あるべし》と、かつての態度とは異なるという批判も、客観的に米国の動きを見ての発言とは思えません。
 米国や各国における歴史修正主義ナショナリズム回帰への批判が、一部の勢力の陰謀によるものだという主張を、古森氏は何年も前から繰り返し使ってきましたが、そんな矮小な陰謀論では片付けられないほど、安倍政権への批判の動きは大きくなっています。彼は自らの主張に、どう落としどころを見つけるつもりなのでしょうか。