産経「主張」の欣喜雀躍。他。

【産経抄】日の丸の奇跡　２月１０日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140210/trd14021003370001-n1.htm

　《太陽信仰という日本人のＤＮＡに根ざした「日の丸」》という意味不明の文章が出ててきて、困ってしまいます。「DNA」を「遺伝子」に置き換えても、まだ意味が通じません。民族宗教の原型が太陽信仰というならたいていの民族に当てはまるし、大和民族は太陽信仰を特に形にしてきたというわけでもありません。ところで産経新聞は、お天道様に恥じない行動をとっているでしょうか。ついこの間、「朝日新聞は投稿歌壇を自社の論調に合わせて利用している」と非難していたかと思ったら、今日は自分で「談話室」（投稿欄）の自社の主張に沿った投稿を利用しています。恥ずかしくないのでしょうかね。
　日の丸が日本の象徴として使われるようになったのはせいぜい戦国時代末期、公式に定められてから150年ほどです。1500年以上に及ぶ日本の歴史の中ではごく最近のことです。国の歴史とともにあるフランスのトリコロールや連合王国のユニオンジャック、合州国の星条旗とは意味合いが違います。産経史観では、日本の歴史は明治維新から始まった（ただし神武天皇即位は2700年近く前）というものなので、矛盾はしていないのかもしれませんが。ところで《「建国記念の日」には全国各地で、記念行事のひとつとして、「日の丸行進」が行われる》とあるのですが、祝日の提灯行列ならともかく、そんなもの効いたこともありません。想像してみるだに薄気味悪い行事です。

【主張】都知事選　「脱原発」ムードの敗北だ　五輪や福祉への対応を急げ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140210/elc14021003440002-n1.htm

　というわけで欣喜雀躍、小躍りしています。舛添要一氏の東京都知事選挙当選にではなく、細川護煕氏と宇都宮健児氏の落選に対してです。これが書かれたのは出口調査の予測だけで、個別の票数が出ていなかった段階のようです。細川氏＆小泉純一郎氏陣営の落潮と田母神俊雄氏の予想外の得票は判明していなかったらしく、これがわかっていたら、両足上げて躍りまくりって滑って転んでいたでしょう。
　しかし、脱原発を求める票が一定数以上あったことは確かです。ことは、国土の安全という国の根幹に関わる問題です。地方選挙だからといわず、国は脱原発を推進すべきでしょう。なにを言っているのかと思うでしょうが、これは沖縄県名護市市長選挙のときに普天間飛行場移設問題に関して産経が主張していた論理です。負けは負けとして認めることも必要でしょう。