黙然日記(廃墟)

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産経編集長、より過激に。他。

【編集日誌】日本人への冒涜 より過激に - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140113/chn14011310000000-n1.htm

 乾正人産経新聞編集長が、快調に飛ばしています。中国が唱え欧米が同調しているのは、安倍晋三政権や一部メディアによる歴史修正主義、具体的には第二次世界大戦における連合国の大義の否定です。日本全体ではありません。みずからの歴史修正主義をあたかも日本を代表する意見であるかのようにすり替えて、世界で孤立している安倍政権と産経新聞を被害者扱いし、読者に同意を求める手法です。乾記者らしい卑劣な手口と申せましょう。

【正論】年頭にあたり 「靖国問題」はこれきりにしよう - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140113/plc14011303060000-n1.htm

 岡崎久彦氏です。岡崎氏のこの論説で「元駐タイ大使」という肩書きを使うのは、タイ国に対してたいへん礼を失するような気がします。この文章も乾記者と同じ誤魔化しを使っています。靖国問題に関して《国民の大多数も》とか《日本人の一致した心情だといえよう》とか無根拠な決めつけをして、みずからが日本を代表するかのように振る舞っているのです。全権大使であったときの意識が抜けていないのかもしれませんが、今は単なる隠遁者に過ぎません。《〔靖国問題は〕左翼反米勢力の輸出が発端》とも主張していますが、日本の左翼にそんな影響力はありません。だいたい、「左翼反米勢力」という単語がすごいですね。さすが、Wikipedia:親米保守に名前の挙がる岡崎氏です。親米も保守も間違った思想ではないのですが、両者がくっつくとなぜこう妄想的になるのでしょうか。1980年代になってから靖国問題が浮上したのは、保守と言うより反動的だった中曽根康弘首相(当時)が1985年に「公人としての参拝」を明言したからで、1989年の天安門事件以後に鼓吹された中国のナショナリズムとは関係ありません。
 《〔靖国問題に〕日本の国民はもううんざりしている。もうおしまいにしよう》という岡崎氏のまとめは、まったくそのとおりです。方法はカンタンで、安倍首相が「私が間違っていた。もうにどと参拝しない」と言い、実行するだけでいいのです。簡単なことです。もっとも、「誤りを認める」という簡単なことを実行できない愚かな首相を戴いてしまったのは、我々の不幸です。