産経「主張」の日本史観。他。

【主張】日本史必修化　誇り持って学べる内容に - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140112/edc14011203230000-n1.htm

　日本人ですから日本史を学ぶのは当然ですが、小学校中学校で2年もやればいちおうじゅうぶんではないかな、とも思います。高校レベルの日本史もそれなりに面白いのですが、好きな人だけやればいいでしょう。産経新聞や下村博文文部科学相らの安倍晋三政権が、なぜ高校日本史必修化にこだわるのかわかりません。もしかしたら、戦前の中等教育で「国史」と呼ばれた日本史教育が重視され、それがGHQによって「社会科」へと解体された、GHQのしたことはすべて悪、という近現代史観からなのでしょうか。必修化と同時に、いつものごとく、教科書から自虐史観（自省史観）を排して自由主義史観（自慰史観）を入れるようにも求めています。たとえば南京大虐殺について、「中国側の主張はこうだが日本の学会ではこのぐらいが主流意見だ（まぼろし論は学問的研究の名に値しない）」という記述で、なにが問題なのでしょうか。「中国側の主張を書くならまぼろし論も入れろ、できればまぼろし論だけにするか記述そのものをなくせ」という、一時期産経が繰り返していた要求は、もはや成り立ちません。希望と誇りを持てる歴史の授業とは、「間違ったことは二度としない」という決意に基づいて過去の過ちを学ぶことから始まるのではないでしょうか。

【主張】アフリカ外交　中国と違う「共栄」めざせ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140112/plc14011203230001-n1.htm

　安倍首相の熱心な東南アジア・アフリカ訪問に、いらだちを覚えます。もちろん日本の国益にとって重要な地域ですが、安倍首相の行動はあきらかに中国を意識した遠交近攻策だからです。それよりも、最大の国益に関わる東アジア地域において、日本のプレゼンスを本当の意味で高めることこそ必要な国益確保なのに、現実から目を逸らした行動を日本国の首相が執っていることに、いらだちを感じるのでしょう。だいたい、この時期にコートジボワールを訪問して援助を申し出るとか、恥ずかしいにもほどがあります。次はギリシア経済援助とコロンビアですか。