黙然日記(廃墟)

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産経オピニオンの夢想主義。

【正論】年頭にあたり 「観念的戦後」に風穴開けた参拝 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140103/plc14010303060002-n1.htm

  前原誠司民主党代表が、安倍晋三首相を「観念的保守」と批判したことに対して、いきり立って反論したつもりになっています。いわく、改憲を目指す安倍首相の姿勢を観念主義と攻撃しているのだろうが改憲はすでに現実的目標なり、憲法墨守しようとする前原氏こそ観念的だ、と。よくこれだけ空振りだらけのシャドーボクシングができたもので、前原氏が改憲論者であることは、少しでも真面目に民主党を観察している人間なら誰でも知っています。「民主党」という観念だけで前原氏を見ているのは遠藤氏の方でしょう。前原氏は、改憲が最優先ではないという現実的立場に立っているのに対し*1安倍氏改憲を最優先し、改憲と軍備強化さえすればすべてうまくいく、という観念的立場にあることが指摘されただけです。さらに、靖国参拝すればさらにうまくいく、という宗教的観念まで露わにしたわけですが、それを絶賛する遠藤氏も、観念だけで生きている人物と判断せざるを得ません。

論説委員はこんな初夢見た(上)】 政治―電撃訪朝と拉致解決+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140103/trd14010311330012-n1.htm
論説委員はこんな初夢見た(下)】経済 自動運転で事故激減+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140103/trd14010311380013-n1.htm

 産経新聞論説委員のうち6人が、初夢と称する妄想を書いています。公共の紙面に妄想を垂れ流せばいいのですから、新聞論説委員とは本当に気楽な商売です。《「主張」(社説)を書くのが主な仕事だから、そこではあくまで現実を見据えた論述が要求される》とか言ってるんですが、産経の社説(「主張」)ほど現実を無視した夢想的観念論の文章も珍しいでしょう。他に、上記「正論」欄があるぐらいです。いや「産経抄」あるか。雑誌「正論」もあるし、産経周辺にはいくらでも類例が見つかりました、すみません。
 担当は、清湖口敏記者が前説、石井聡記者が見出しになっている拉致問題、内畠嗣雅記者は日本語が世界共通語に、別府育郎記者が日本代表W杯優勝、井伊重之記者が自動車の自動運転、沢辺隆雄記者が小中高生の強制合宿、中本哲也記者はピタゴラスが小学校の先生、というものです。面白いものもあるのですが、読み終わってものすごくげんなりしました。えーと。いちいちツッコまなきゃいけないかな。いちばん現実的なのは井伊記者。次いで別府記者が、「一次リーグを突破すれば後は勢いで」と無茶ながら内容は現実的なものです。いちばんわけがわからないのは中本記者で、死者がよみがえるわけはないし、タイルを使った三平方の定理の授業ぐらいなら今でもやっているでしょう。小学校3年生ということで、詰め込み教育を期待しているのかもしれませんが、本当に夢の世界として記述しているのでなにも伝わってきません。内畠記者も、なぜそうなるのかの説明がなくて妄想的かつあまりに自国中心的です。石井記者の妄想もそれに劣りませんが、いちばん気持ち悪いですね。沢辺記者のは夢というより変にリアルで、安倍政権に任せていたらいずれこうなるのではないかという悪寒がします。農村下放。産経の読者は、こういうのを読んで快哉を叫ぶのでしょうかねえ。

*1:たとえば「民主・前原氏、憲法改正「必要だが最も大事と思わない」 - MSN産経ニュースhttp://sankei.jp.msn.com/politics/news/130530/plc13053021130012-n1.htm 参照。