産経「主張」の国家安全保障戦略観。他。

首相「ＮＨＫは興味持てる内容を」　領土関連で国際放送に注文 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131218/plc13121822520021-n1.htm

　支持率下がりまくりだというのに、なにいい気になっているんでしょうか。安倍晋三首相が、報道への干渉をなんとも思っていない人物だということが、またあらためて明らかになりました。

【主張】安保戦略と新大綱　中国見据え守り強めよ＋（1/4ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131218/plc13121803090004-n1.htm

　昨日閣議決定された国家安全保障戦略と防衛計画大綱、さらに中期防衛力整備計画は、《戦後日本の防衛政策の転換》と産経が位置づけるとおりであり、そして産経の意味合いとは違い、危険な道への転換であることが明らかです。
　北方に陸上自衛隊を偏重配備する冷戦以来の時代錯誤な現状に対し、北方を大胆に削ってその分を南西方面に振り分けるというのが、民主党政権時代の動的防衛力の考え方でした。限られた予算の中で、防衛予算だけを増長させることなく合理的に対処する、あたりまえの考え方です。今回の大綱はその逆を行く、非合理なものです。北方は手つかずで南西にはさらに厚く追加配備し、防衛予算（軍事費）と利権だけを際限なく膨れ上がらせる、最悪の選択肢です。金を遣うだけなら馬鹿にだってできますし（通称アベノミクス）、「私は軍国主義者ではない」とおちょぼ口で言うその口の下から軍事費を増長させようとしているのですから、いくら批判しても足りません。産経「主張」は言を弄して防衛予算増額をかばっていますが、言いつくろいようもない極悪な選択肢です。
　そのほかに、武器輸出三原則の放棄など、どんだけ防衛産業のケツをなめる気だと言いたくなるような方針が並ぶのですが、わたしがいちばん気になったのは、愛国心教育の項目です。この産経「主張」はなぜか触れていませんが（明日あたりの「主張」で独立で扱うかもしれません）、「戦略」の中に愛国心教育を明記する神経のおぞましさには身の毛もよだつ思いがします。強制される“愛国心”は、自然に生まれる愛国心を踏みにじるものです。