黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の大あわて。他。

【主張】知事の責任 猪瀬氏の辞職は当然だ 五輪準備も都政も動けない - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131219/crm13121903200000-n1.htm

 猪瀬直樹東京都知事の、ようやくの辞職表明は、新聞朝刊〆切直前の深夜でした。そのため、大あわてした産経新聞「主張」が、珍妙なことになっております。たぶん、「辞職を勧告する」とかそんな内容だったのだろう本来の原稿に手を加え、辞職表明を反映させたのでしょう。「都政は停滞している」を《〜していた》、「すべての原因はある」を《〜あった》という具合に、元の文章が透けて見えるあたりが面白いし、結果として類例のないような慨嘆調とも思える代物になっているところも印象に残ります。(元の文章を推測しながら読めば)まともな内容なのですが、とにかく外形的におかしいので、記録にとどめておきます。産経のせいばかりではないんですけどね。……ぷっ。

【阿比留瑠比の極言御免】第三者・モンゴルから見た「慰安婦問題」+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131219/plc13121913420005-n1.htm

 はい、文章はまともでも内容はおかしい(異常だ)でおなじみの、阿比留瑠比氏の登場です。客観的な視点を是とするなら、「従軍慰安婦問題に関係ない米国等は口出しするな」といういつもの反発はなんなのでしょう。また、見出しは《モンゴル》となっていますが、文中取り上げられている大野旭(楊海英)氏は内モンゴルの出身で日本国に帰化した人物です。外モンゴル内モンゴルモンゴル国と中国に分割されているのは不幸ですが、事実は認めねばなりません。モンゴル国出身者なら第三者と言えても、内モンゴルから中国政府の迫害を逃れてきた人物を、中国政府の主張に対して第三者として扱ってよいのでしょうか。
 中国政府が内モンゴル人に対し、性的虐待を含む民族弾圧を加えていることは糾弾されるべきですが、それが従軍慰安婦問題となんの関係があるのでしょう。典型的な歴史修正主義の詭弁です。「中国は(または韓国は)これこれこういう残虐なことを行った、だから日本からの被害を訴える資格はない」。これが成立するなら、法理もなにもあったものではありません。たとえば、「イスラエルユダヤ人がパレスチナ人を迫害しているから、彼らにはナチスドイツによるユダヤ人虐殺を糾弾する資格はない」という論理を、国際的に主張してみせてください。できるもんならね。あ、そのときは日本代表みたいな顔をしないで、個人の資格でやってくださいね。こっちが迷惑ですから。