黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の監視カメラ観2。

【主張】黒子のバスケ 「検挙に勝る防犯なし」だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131217/crm13121703050004-n1.htm

 事件に関してはどうやら一安心のようですが、産経「主張」の内容については安心できません。監視カメラが今回の逮捕に貢献したのは事実ですが、だからといって無条件に礼賛し、《犯罪者以外は「窮屈な監視社会」と恐れる必要はないはずだ》と決めつけてよいのでしょうか。たとえば、安全な市民生活に警察の存在は欠かせませんが、独裁国家では秘密警察が市民を監視する敵に回る、というように、運用次第で道具は善にも悪にもなるのだということを踏まえねばなりません。監視カメラの多くは民間の運用で、その運用に監視は行き届いていません。権力による悪用がもっとも恐ろしいのですが、産経の論説委員には理解できないんでしょうね。理解できるような例を挙げれば、なにげなく自宅の玄関に向けられた監視カメラのデータをストーカーが手に入れたら、と想像することはできないでしょうか。新聞というメディアが持つべき当然の想像力が、産経新聞「主張」には決定的に欠けています。あるいは想像した上で、権力による監視を是としているのかもしれませんが。