黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」の小泉氏観。

【主張】小泉会見 「原発即ゼロ」は無責任だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131114/stt13111403170002-n1.htm

 小泉純一郎氏という人物を、いまでもあまり信頼する気にはなれないのですが、脱原発の役に立つのなら踊ってもらいましょう。小泉氏が強調しているので、原発推進派(というより信仰派)の産経も、いままで見て見ぬふりをしてきた高レベル廃棄物処理の問題に触れざるを得なくなっています。曰く、最終処分場を決定する原子力発電環境整備機構が設立されたのは、第一次小泉内閣とほぼ同時期だ、と。最終処分場が決まらないのは小泉氏の責任、とでも言いたげですが、よくこんな物凄い屁理屈を思いついたものです。核燃料再処理の中止を求めたことに対する反論は、「認められている非核保有国は日本だけ」「日米関係に齟齬を来す」など、なんの関係があるのかわからない事項ばかりです。米国の核燃料サイクルを日本が下請けしているというのなら話は通じるのですが、そんな事実はありません。いったい、どういう妄想に基づいた反論なのか、詳細に聞いてみたいところですが、たぶん詳細に聞いても常人には理解できない理屈なんだろうなあ。「原発ゼロにして廃炉のコストがかかると再生可能エネルギーの開発に回す余力がなくなる」という新しい理屈も考え出したようですが、いずれにしろ廃炉費用はかかります。運転を続ければそれだけ寿命が短くなって廃炉費用償却の時期も近づきます。早めに運転停止して余力を使った方が賢いことを言明しているようなもので、語るに落ちるとはこのことです。最後の方ではかなりいきり立っていて、手のつけようがありません。
 小泉氏に対する産経の姿勢が、経済政策と原発でこれだけ違うのかと思うと、ちょっと面白くなりますね。それにしても今回の「主張」、矛盾だらけで面白いネタ文章でした。