黙然日記(廃墟)

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産経のフードスタンプ観。

【大阪から世界を読む】「することはセックスだけ。そうすれば大金が手に入る」米国よお前もか…生活保護を食い荒らす低所得者層の実態(1/3ページ) - MSN産経west
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130608/waf13060812010018-n1.htm

 新聞休刊日でオピニオン欄がなく、どうしようかと思っていたら、コメント欄で西村真悟議員辞職は、まだかね? さんからネタの提供を戴きました。ありがたいことです。MSN産経westの方は最近読み飛ばしているので(偏向した野球記事ばかりという印象なので)、こんな連載があることにも気づいていませんでした。
 米国の生活保護制度は、いろいろあるのでしょうが、EBTカードというデビットカードに保護費が振り込まれ、そのカードを食料品店などの店頭で示せば買い物の金額が引かれる、という仕組みになっているようです。これだけでも現金給付に比べると使途が大きく制限されるわけですが、さらにEBTに振り込まれる保護費にはSNAP(フードスタンプ)とTANF(低所得者家族支援)があり、SNAPは最初から食料品にしか使えず嗜好品や娯楽遊興費には使えません。なのに、産経関西の記事はEBTカード=SNAPとして、フードスタンプが乱用されているかのように印象づける内容になっています。ていうか書いてる方が理解していないんでしょうね(かくいうわたしもニワカですが)。米国で4年前からフードスタンプの受給者が増えているというのはあきらかにリーマンショック以来の不況の影響ですし、それ以上に格差政策の影響でもあるでしょう。
 この記事は当然のように、日本の生活保護バッシングに話を持って生きます。米国でも日本でも不正受給・不正使用があるのは現実ですが、あたかもそれが大多数であるかのように印象づける記事は、なにを目的としているのでしょうか。ほんとうに意図がわかりません。誰得って話です。