黙然日記(廃墟)

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産経編集長の言論の自由観。

【編集日誌】「反日有理」の極めつき - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130524/trd13052407350003-n1.htm

 3月までの「from Editor」は編集委員クラスが好き勝手に各コラムでしたが(最初はそうじゃなかった気がするんですが)、替わって4月から登場した「編集日誌」は、いちおう紙面編集に関わる話題だけに限定しているようです。しかし今日は乾正人編集長みずからが、言いたい放題コラムに適当に編集の経緯を付け足すという反則を使っています。また乾記者か、というか、誰だこんなのを編集長にしたのは。
 韓国紙中央日報20日付一面コラム、「原爆は髪の懲罰だ」という記述は、もちろん許せるものではありません。この論説委員には、韓国(朝鮮)も同じ被爆国であるという認識がないのでしょうか。大日本帝国と縁を切りたいという気持ちはわかりますが、原爆によって朝鮮人も同じ苦渋を味わったことについては、どう思っているのでしょうか。それはともかくこの言論は、日本の産経と同じく韓国メディアにも、過激な排外主義が跋扈していることを感じさせます。日韓の相互関係を考える立場からは、暗澹たる気持ちにさせてくれます。
 乾記者のコラムに戻ると、韓国には日本に対する言論の自由がない、「反日有理」状態だ、と決めつけた上で、だからこんな言説が出てくるのだ、と論じています。論理の筋道がまるで通っていません。仮に韓国に言論の自由がないとしても、それが反日論の過激化に結びつくという必然性が示されていません。「言論の自由がない」言いたいだけちゃうんかと。結語の、《戦争を知らない世代が、戦争を語る怖さを改めて痛感しました》も意味不明です。乾記者はいったい何歳だというのか、また問題の論説委員が53歳なら韓国が参加したベトナム戦争を記憶している世代だと思うのですが。
 こうしてヘイトスピーチの応酬を繰り返すことがなにを意味するのか、それこそ戦争を知らない、というより知ろうとしない歴史修正主義者の乾記者にわかるのでしょうか。