黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の失言観。

【主張】都知事の失言 五輪招致へ前を向き直せ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130506/lcl13050603070000-n1.htm

 東京で五輪なんかやらないでほしいし、周辺を見ても「本当に70%も支持されているのか?」と思えるような状況なのですが、イスタンブールマドリードに決まることを心から祈ります。そもそも、大手マスコミが誘致で一致しているところがもう気持ち悪いので、竹村健一氏ではないですが、全員一致ならやめてしまうべきです。
 さて、産経が大手マスコミに含まれるかどうか微妙ですが、どこよりも熱心に東京誘致を目指しているように見えます。旗振り役だった石原慎太郎氏に連載を持たせていたぐらいですから、熱心になるのもわかりますが、この「主張」も含めて、たいへん気持ち悪い。猪瀬直樹都知事の失言、というよりは正直な内心の吐露でしょうが、それを主将の失策にたとえ、まだ試合時間はあるのだから挽回できる、と訴えるのですが、普通ならレッドカードものです。猪瀬氏はこれで退場、発言を禁止されてもおかしくはありません。というより、そうすべきです。主将というよりエースストライカーを欠いて一人少なくなった残り時間は、攻撃を諦めて守備に徹するしかありません。引き分け狙いはありませんが。またこの失策は退場に繋がるだけではなく、この真情吐露でアジアを含めたイスラム圏の票をごっそり失ったわけですから、仮にここまで優勢だったとしても取り返しのつかない失点をしてしまったことになります。スポーツならそれでも最後まで諦めないことが求められますが、実際にはスポーツではなく政治闘争ですから、ここからは比喩を離れます。東京は、民族差別主義者が連続で都市のトップを務めていることを認め、いさぎよく撤退すべきところでしょう。産経「主張」は最後までスポーツの比喩で通していますが、比喩は比喩です。それに自己陶酔して本質を見誤っては、言論機関としての責任は果たせません。