黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の正気。他。

憲法記念日 改正論議の高まり生かしたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130502-OYT1T01473.htm

 改正論議の高まりに関する読売新聞「社説」です。各党などの憲法提案を並べていますが、産経新憲法要項のさの字もありません。完全スルー。


【主張】統治機構憲法 間接選挙参院再生を 「地域主権」は国の統一そぐ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130503/plc13050303110002-n1.htm

 《改憲が現実の政治日程にのぼり、国民投票が行われる。そのとき、羅針盤になるのが現行憲法の問題点を摘出し、新たな国家像として「独立自存の道義国家」を打ち出した本紙の「国民の憲法」要綱である》。正気で書いてるのか? 
 産経「主張」による要項各章解説、今回は国会その他についてです。この産経案で、二院制を否定せず参議院を「良識の府」としてよみがえらせようと試みていることは、評価してよいでしょう。参院が「衆院カーボンコピー」になってしまったのは選挙制度の問題が大きく、少なくとも地方区はより大選挙区的に、また全国区は比例代表制を廃して単純大選挙区にする必要があると考えます。産経の提案する間接選挙制は、馴染みがないこともあって疑問ですが、一考には値するかもしれません。
 一方で、衆院の優越性を強めるという考えはいいとして、再議決の条件を過半数にする考えは大変危険です。ねじれ国会(二院制では当然のことです)状態で、参院の存在意義が存在しないことになってしまいます。せっかく参院改革を提案したのにそれを骨抜きにする、矛盾に満ちた改正案と言わざるを得ません。
 地方自治体に《「国の統一性の保持に努め、国と協力しなければならない」》と求めるのは、いったい何を考えているのかと呆れざるを得ません。全体にこの案は、“国家”の権力を強める方向を指向していますが、地方自治においても分権を否定しているのです。現在の日本における問題の大半は中央集権制度の弊害といえるのですが、そうした認識はまったくなく、ただ国家主義をあらゆる面で押し通せば解決すると思っているのです。条文で道州制を認めるようなことを言っていても、衣の下に鎧が見えています。