黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の理解力。

【主張】憲法96条改正 参院選前の提出を進めよ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130414/plc13041403050002-n1.htm

 憲法第96条改正、つまり改正要件の緩和を先行させてそのあと第9条を改悪しようという産経や自民党の戦略について述べられています。いや文中に9条は出てこないのですが、出てこないところがまたあからさまです。現行憲法の改正要件である国会3分の2の発議には、連立与党である公明党の反対がネックになっているわけですが、ここは「平和の党」としての存在感を十二分にアピールしていただきたいところです。
 この「主張」は公明党折伏 説得するために、加憲を持ち出しています。加憲とは公明党が主張する、現行憲法の条文はそのままに、環境権などの新しい権利を書き加えるだけという改憲案です。その加憲をするためにも96条改憲は必要だ、というのですが、なぜでしょう。わけがわかりません。環境権などに反対している有権者はほとんどいません(わざわざ憲法に書き加える必要はない、という意見がある程度です)。大多数が賛成するような案件でこそ現行96条の改正要件は意味を持つ、ということを、産経は理解していないのでしょう。理解していないふりをして屁理屈をこねている、という解釈もできますが、理解力が足りないから理解できない、と解釈した方が自然です。