産経抄のむちゃくちゃぶり。他。

【産経抄】仙谷氏発言で振り返る「むちゃくちゃ」だった民主党政権 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130413/stt13041303040002-n1.htm

　アベノミクスのインフレターゲット政策が劇的な効果を上げている、その政策は正しいとしたら、民主党政権の経済政策を《むちゃくちゃ》と表することは出来ないはずです。なぜなら、同じインフレターゲット政策を採用していたからです。ただし目標物価上昇率に2%と1%の違いがあり、バブルやハイパーインフレの懸念を気にしているかどうかの違いだけです。「不十分だった」という批判はできるにしても（それも1年か2年経ってみないと、アベノミクスの悪弊が現れるかどうかわかりません）、デフレ下で徹底的な緊縮財政を打ち出すような「むちゃくちゃ」には当てはまらないでしょう。産経は、民主党のやることはなんでも間違っていたという印象を作りたいだけで、それは間違っていた面もありますが、政権への正当かつ客観的な評価をしようという姿勢は最初から取る気がありません。「下野なう」「民主党さんの思いどおりにはさせないぜ」当時から、なにひとつ変わっていないのです。

【主張】大統領の対北発言　暴挙中止への最後通告だ＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130413/amr13041303060000-n1.htm

　単に《大統領》と書いて「米国大統領のことに決まってんだろ」が通用するのは、産経の紙面だけです。見出しを読んでから本文に取りかかるまで、わたしはずっと、当事者である韓国大統領のことだと思っていました。日本国が確実にミサイルの射程に取り込まれている現在に至っても、唯一米国のこと、米国様のおっしゃることしか眼中にない産経の姿勢をあからさまにするような脱字です。本文ではさすがに、日本がなすべきことや（例によって集団的自衛権行使を求めているのでしょうが）韓国の対応についても述べていますが、とってつけた感は否めません。
　かと思うと、米大統領発言を北朝鮮に対する最後通告と定義してしまっています。「いざとなれば武力行使する」という意味の発言は、「対話のチャンネルをこれで打ち切る」という意味にはなりません。米政権が対話を呼びかけていることには変わりありません。それを好戦的な内容に曲解するチキンホーク産経の口先タカ派ぶりは、見ていて不愉快なものさえあります。