産経記者の朝貢観。他。

【外信コラム】上海余話　朝貢貿易の場 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/chn13041203160003-n1.htm

　国際会議が開かれると、各国の首脳が集まります。首脳たちは口々にホスト国への感謝を述べます。そのときホスト国で国家元首の交代があったら、同時に祝辞も述べます。外交儀礼とかいう以前の、あたりまえの話です。ところが産経新聞上海支局の河崎真澄記者には、これが朝貢貿易に見えるらしいです。いっぺん目医者に行け。そもそも「朝貢外交」と「朝貢貿易」の区別も付いていなさそうで、聞きかじった「朝貢貿易」という言葉を使ってみたいだけではないかという疑いもあります。もちろん、「中華民族＝漢民族」という短絡も起こしています。中華とは最高の文明の担い手を指すもので、鮮卑族や蒙古族や満洲族の王朝に対しても朝貢外交は行われました。産経上海支局には北京総局と比べてまともな人材が多かったのですが（ワシントン支局とニューヨーク支局の関係に似ています）、やはりじわじわと産経人材は浸透しているようです。

【主張】原発「規制」基準　真の安全が遠のくだけだ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130412/plc13041203320003-n1.htm

　新安全基準（規制基準）が提示されたことで、予想どおり噴き上がっています。これから法制化、施行とそのたびに、同じように癇癪を起こすのでしょう。まずいきなり、名前にまで文句をつけています。「安全基準」から「規制基準」に変更されたことに《不適切》、《常識を問いたい》とまで言っているのですが、規制する基準であることに変わりはありません。安全基準という名称の方が実態を表さない不適切なものだったと言うべきでしょう。
　そしてまたいつまでも、活断層問題に拘泥しています。活断層の厳密な調査にコストを掛けるより原発建屋の耐震性に金を掛けろ、という、根本的になにもわかっていない発言が続きます。原発の寿命は40年と規定されたのだから40万年というタイムスケールを持ち込むことは無意味だ、としか読めない文章もあるのですが、これはなにかの冗談でしょうか。産経の主張する緩い基準に従ったって60年と12万年です。もはやどうツッコんでいいのかもわかりません。
　新基準では人材養成ができなくなり「安全文化」が失われるという指摘も、なにを言っているのかわかりません。その「安全文化」とやらが頼りになるものなら、こんなことにはなっていないのです。これを含め、ソフト面の視点が欠けているから真の安全性を遠のけることになる、というのが産経の結論で、よくもこんな屁理屈を思いついたものだと感じますが、仮にそれが正しいとしても、規制委員会の仕事は人材養成への考慮ではないでしょう。