産経の政治への接近。他。

【主張】近隣諸国条項　早急な見直しで国益守れ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130411/edc13041103060000-n1.htm

　さて、誰にでも出来るバブル的経済対策で*1支持率を高めている違憲政権の安倍晋三首相ですが、そろりそろりと本性を現してきています。もちろん産経も、《教科書是正に向け、国益を守ろうとする安倍氏らの積極姿勢を評価したい》と全面支持の姿勢です。引用した文章がなんかもうこの、生理的に気持ち悪くてしょうがないのですが。第一次安倍内閣時代に改悪された教育基本法を《教育の根本法規》と金科玉条扱いする姿勢は、憲法さえ任意に変えたがる産経らしくありません。
　近隣諸国条項は、近隣諸国への配慮というより、歴史記述において自国中心主義を廃し客観的な立場を取るというものです。当然のことながら、維持しなければなりません。安倍首相はさらに、教科書採択制度にまで踏み込んだ国会答弁をしており、これは産経新聞・育鵬社グループによるロビー活動の成果と見るべきでしょう。ロビー活動というのは陰謀論でもなければダーティなものでもなく、日常的な政治家との接触で要望を伝えることも含まれます*2。ジャーナリズムが記者クラブ制度の立場を利用して政治家と日常的に接触することがダーティーではないとは言い切れませんが。

【阿比留瑠比の極言御免】公明党は足を引っ張るな＋（1/3ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130411/plc13041101140001-n1.htm

　さてその産経ロビー活動の先鋭にして名誉毀損裁判で敗訴が確定したあびるんですが、ひさしぶりに署名コラムの連載を始めました（先週から始まっていましたが見落としていたようです）。先日、ブログの更新を控えるような発言をして、また実際に更新のペースを落として周囲を驚かせていましたが、あれはこの連載の伏線だったのでしょうか。少なくとも裁判と関係ないことだけは確かです。
　内容についてはお話にもならないタワゴトで、公明党は改憲の足を引っ張るな、というものです。そんなに意見が違うのが嫌なら、自民党支持者として「公明党との連立を絶て」と唱えるべきでしょう。簡単なことです。なんでそれが言えないのでしょうねえ（くすくす）。異なる違憲を許容できない自民党の一部や阿比留記者の体質を露骨に表しているような話です。

*1:たとえばリーマンショック後の麻生太郎政権による緊急経済対策も、わたしは高く評価しています。麻生政権全体への評価とは別に。

*2:ロビー活動に関しては「カルトvsオタクのハルマゲドン／カマヤンの燻る日記」、たとえばd:id:kamayan:20121022:1350905856 などが詳しいです。