黙然日記(廃墟)

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産経オピニオンのサッチャー氏観。

産経抄】4月10日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130410/erp13041003110002-n1.htm

【主張】サッチャー氏死去 いま学びたい「鉄の意志」 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130410/erp13041003160003-n1.htm

 マーガレット・サッチャー氏に、謹んで哀悼の意を表します。合掌
 さて「産経抄」は、「鉄の女」というニックネームからマイナスイメージを読み取り、しかし日本ではプラスイメージだ、と単純二分化で論じています。このニックネームは文中にもあるように本人も気に入っていたし、鉄のカーテンを引いたスターリンも「鉄人」という意味のペンネームです。逆に東洋でも鉄に悪いイメージはあり、端的に言って、鉄は金属を失うと書きます。鉄のように歴史が長く身近な物質のイメージは、単純に分けられるようなものではありません。
 「主張」の方は、サッチャリズムつまり小さな政府と新自由主義、軍事的強硬性を徹底的に礼賛しています。追悼記事ですから多少割り引いてもいいのですが、予想どおり現在の日本に当てはめてきているのはうんざりです。尖閣フォークランドに見立て、旧ソ連を現在の中国に見立て、英国病を失われた20年に見立て、軍備強化せよ、日米同盟を強化せよ、福祉は切り捨てよ、人頭税を導入せよ、いやそこまでは言っていませんが、時代も状況も違うのに、なんでも見習えといわんばかりです。現在の日本に、緊急対策としてアベノミクスのバブル政策は必要ですが、それがサッチャー流の福祉切り捨てに繋がらないよう、我々は監視を怠ってはなりません。