黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の日銀総裁観。

【主張】次期日銀総裁 政治との対話力が重要だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130116/plc13011603330005-n1.htm

 四月の日銀総裁人事について、「政治からの独立」が必要なことを強調しつつ、対話のできる人物を求めています。ここはいいのですが後半は、財務省OBでなにが悪いか、と論を立てています。官僚OBが日銀総裁になることについて、みんなの党などが強く反対して政争の具にされかねない、総裁人事を政争の具にする愚かしい行為を繰り返してはならない、という展開なのですが、どうでしょうか。話の方向を剃らしていますよね。そもそも財務省OB是か非かをきちんと問わなければなりません。日銀に求められるのは「政治からの独立」ではなく「政府からの独立」です。いくら政治から独立して対話を強調していても、財務省べったりでは市場の信認を得られません。政府の一部門である財務省を政治が完全に支配下に置いているか、言い換えれば財務省が独立の意志を持って動いていないかといえば、日本の現状ではたいへん疑問です。その財務省言いなりに安倍晋三内閣が動いてOBをねじ込むのではないか、というところに、市場の注目が集まっているのです。産経「主張」はそこに予防線を張ったつもりでしょうが、安倍内閣がどこまで財務省や広く官僚全体の言いなりになっいるか、着目しておきたいところです。経済オンチの安倍ちゃんがわからないところは財務相に任せて言いなりになっている現状は、勝手なことをされるよりはマシといえますが、こと日銀総裁人事に関してはそれでは通らないのだということを、産経にも安倍ちゃんにも認識してもらいたいものです。