産経「主張」の招致観。

【主張】東京五輪招致　国を挙げて発信力を競え - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130109/oth13010903080001-n1.htm

　五輪招致を疑おうとしない産経の姿勢に、薄気味悪ささえ感じる昨今です。優先されるべきは国内事情ではなく五輪精神だと思うのですが、そんな言葉はひとかけらもこの「主張」には出てきません。
　東京招致の懸念は市民の支持率だったわけですが、ここに来て上昇しているそうです。ちっ。ロンドン五輪の感動を東京でも、というのが招致推進側の決まり文句ですが、なにも全競技を直接観戦できるわけもなし、テレビ桟敷で観るなら地元だろうが地球の裏側のリオだろうが大陸の反対側のイスタンブールだろうが、変わりはないはずです。ところでこの「主張」、《イスタンブール（トルコ）とマドリードは》と、イスタンブールだけに国名をつけてマドリードがスペインであることを説明していないのですが、どういうつもりでしょうか。いまだに脱亜入欧、マドリードは説明不要だがイスタンブールは説明しなければわからないだろうという、アジアに対する偏見を抱いているためとしか感じられません。
　もうひとつの懸念としてこの「主張」は、電力事情を挙げています。開催都市決定の直前であるこの夏に東京が計画停電に陥れば招致には圧倒的に不利だ、今すぐに原発再稼働を、と話が飛んでいきます。招致のために安全性検証を無視した再稼働が必要なら、五輪なんか呼ばなくて結構です。当たり前でしょう、なにを考えているんですか。招致にしろ再稼働にしろ、金のことしか考えてなさそうですけれどもね。