黙然日記(廃墟)

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古森義久記者と日本国憲法の真実。

【あめりかノート】日本国憲法作成の真実 ワシントン駐在編集特別委員・古森義久+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130108/amr13010803060000-n1.htm

 日本国憲法起草に関わったベアテ・シロタ・ゴードン氏に、謹んで哀悼の意を述べさせていただきます。合掌
 さて、古森義久氏がいきなり彼女をdisっています。彼女は単なる秘書役であって起草に携われる立場ではなかった、それは俺が実務責任者のチャールズ・ケーティス氏にインタビューしたから間違いない、という主張です。当時、日本語が堪能で東京にも詳しい22歳の女性であるゴードン氏が秘書役を務めたことは、誰にでも想像できます。しかし、条文をすべて、あるいはおもだった条文を彼女が起草したなんて、誰も言っていません。「男女同権や結婚は両性の合意のみに基づくという条項を入れたのは私だ」とゴードン氏は主張していたのです。十人かそこらの、しかもリベラルな理想に燃えていたチームの中で、「男女同権を明記する」という一人のメンバーのアイディアが採用されたか否か、そこが問題です。「ベアテ、これを読んでみて、気になった部分はあるかい?」「ボス、ちょっといいですか。男女同権を明記する必要があるのではないでしょうか」「なるほど、男ばかりの我々はそこを見落としていた。さすが女性だな」ぐらいのやりとりもまた、容易に想像できるのではないでしょうか。それを「起草した」とするのは多少話を盛っている気配もありますが、「条文に入れさせた」というのは間違いではないはずです。そして《それでも朝日新聞などがゴードンさんの日本国憲法起草をたたえるのは彼女が改憲に反対したからだろう》と、思いこみを元に断じています。
 古森氏はまた、GHQの草案が一字一句変えられずに日本国憲法になったかのように書いていますが、たとえば有名な芦田修正などもあります。古森氏のケーティスインタビューはジャーナリストとして価値のある仕事ですが、自分が関わったという理由で、一つのソースを盲信して他の主張を否定する姿勢は、ジャーナリズムとはほど遠いものです。問題のケーティスインタビューでは、「ゴードン氏は起草に一切関わっていない」という明言でもあるのでしょうか。引用されているゴードン氏に言及されているケーティス氏の発言からは、そう読みとれる部分はありません。