黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の原発ゼロ観。他。

【主張】日本のエネルギー 「ゼロの呪縛」を解こう 原子力を基軸に再構築せよ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130107/plc13010703420002-n1.htm

 旧年と変わらず原発をご贔屓の産経「主張」です。今年は安倍晋三政権の後押しがあるので夢が広がりんぐというか、現実になってしまいそうなわけですが。そういうときこそ現実に立脚した論を展開しなければならないと思うのですが、言っている内容は昨年と変わっていません。火力発電の燃料費で年間3兆円が国外に流出しているとか、原発再開のために誇大宣伝していたときと同じです。ただ今回の書き方だと、燃料費全体で3兆円になり、原発停止のために増えている分が3兆円ではないことが明確になってしまっていますね。これでは嘘を積み重ねてきた甲斐がないというものです。まあ、今回もまた他にも嘘の積み重ねを繰り返しているので(たとえば火発燃料代のためだけに貿易赤字になっているかのような言い方とか。石原慎太郎氏が火をつけた日中関係あったのために対中輸出が激減したせいもあるでしょう)、全体としては思いどおりでしょうか。なかでもひどいのは、中国による領海・領空侵犯も原発停止のせいだという妄想説です。どうすればこんな発想が出てくるのか、膝を詰めて問い質したいところですね。
 そのほか、産経の原発にかける夢がいろいろ並べ立てられているわけですが(核燃料サイクルの確立とか)、これは安倍政権の狙いと一致するものとみられますから、注意しておく必要があると思います。

【エディターズEye】安倍再登板を促した2.26居酒屋会談+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130107/edc13010714110000-n1.htm

 SANKEI EXPRESS掲載のコラムが、なぜかMSN産経ニュースに転載されています。なぜかと思って中身を見てみたら、あの渡辺浩記者による第二次安倍政権誕生の裏話でした。これは無視できない、ということなのでしょう。昨年2月26日(歴史的クーデター発生のこの日を選んだことに意図を感じるのは深読みしすぎでしょうか)に、当時の大阪維新の会安倍晋三氏が招かれ、教育関連の講演をし、さらに打ち上げの居酒屋で維新幹部と懇談したのが、政権へと通じる道筋のきっかけになったというのです。そのときのメンバーが安倍氏日本教育再生機構八木秀次氏、安倍氏側近(渡辺記者がそう書いています)の衛藤晟一氏、維新側が幹事長兼府知事の松井一郎氏、堺市議長から衆院当選した馬場伸幸氏、元横浜市長・元日本創新党で同じく衆院当選した中田宏氏という、まことにきな臭いメンツです。渡辺記者はこの会合を見て来たように書いているのですが、彼自身も同席していたらなお面白かったところです。まあ、渡辺記者といろんな意味で親しそうな八木氏か、この中でいちばんヒマそうな中田氏あたりから取材したのでしょうけれど。
 安倍氏が政権復帰に意欲満々だったのはなにも去年に始まったことではなく、3年前にも中田氏と平沼赳夫氏とともに、日本を救うネットワークと称する虚空の楼閣を造ろうとしていたことがありました。アレはどうなったのでしょうかねえ。結局は中田氏も平沼氏も日本維新の会に合流しました。これが、昨年8月に維新が安倍氏を党首にオファーするという流れになったのでしょう。その後、9月の自民党党首選で安倍氏が維新の力を背景に勝利したのはご存知のとおりです。
 こうしてみると、2月の居酒屋会談が第二次安倍政権へのひとつのきっかけになったとは言えますが、いずれこのへんの人たちがくっつくのは必然だったとも言えます。渡辺記者は八木氏の功績を強調したいがためにこんな記事を書いたのでしょうが。