黙然日記(廃墟)

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産経「主張」のレーダー観。他。

【主張】尖閣の領空侵犯 中国への対抗措置を急げ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121214/plc12121403160002-n1.htm

 なにかちょっとしたことがあるたびに、過敏に跳ね上がる産経「主張」です。ここであやうく、たいへん下品な冗談を書いてしまうところでした。
 この「主張」のポイントはもちろん、自衛隊のレーダーが中国機を捕捉できなかった失態に触れていない点です。空自機がスクランブルをかけたこと、スクランブルで接触できたら警告等を発することは書いているのですが、実際にどうだったかは注意深く読まないと気づきません。実際には海保からの連絡を受けて空自がスクランブルを書け、現場に到着したときにはもう逃げられていたというお粗末な事態だったわけです。レーダーを避けて低空から侵入した中国機の戦術も見事だったわけですが、北朝鮮のロケット発射に対してあれだけのパフォーマンスを演じて見せた自衛隊の実戦におけるだらしなさに呆れるとともに、それを徹底的に隠そうとする産経の態度にも驚嘆してしまうところです。隠されると見たくなりますよねえ(だから下品な表現はやめなさいっての)。

【正論】高崎経済大学教授・八木秀次 自信とやる気持たせる指導者を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121214/elc12121403140038-n1.htm

 はい、八木ちゃんの登場です。上杉鷹山やらマーガレット・サッチャー氏やらロナルド・レーガン氏やらを引き合いに《自信とやる気持たせる指導者》について語っているわけですが、教科書から植民地時代の圧政を削らせたサッチャー氏などを賞賛しているあたり、歴史修正主義者としての八木ちゃんの面目躍如たるものがあります。過去に目をつぶることで出てくる《自信とやる気》に、なんの価値があるんでしょう。過ちを二度と繰り返さないという決意こそ、日本が前進してきた「古き良き時代」の気概でした。
 で、「こんどの総選挙では歴史修正主義の指導者を選ぼう」というストレートなメッセージにつながるわけです。第一次安倍晋三内閣の教育ブレーンだった八木ちゃんが安倍ちゃんを推薦しにくることはわかっていましたが、選挙戦終盤になってここまであからさまな宣伝にスペースを提供する産経新聞の見識も疑いたくなります。