黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の争点観。

【主張】衆院選憲法 改正論の高まり歓迎する - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121206/plc12120603240004-n1.htm

 《憲法改正問題が、原発や消費税と並んで衆院選の大きな争点に浮上している》。いったいどこの選挙でしょう。ニッポソ国でしょうか。争点と言うからには少なくとも二者が対立して論を交わしていなければならないはずですが、そんな気配はありません。安倍晋三総裁の自民党および石原慎太郎代表の日本維新の会が声高に改憲を唱えているのは事実ですが、受ける側は社民党共産党の「憲法を護りましょう」だけで、いつもどおりの主張ですし、正直規模が違いすぎて噛み合っていません。争点として本来受けるべき民主党は、この「主張」でも触れられているように、改憲を争点化しない姿勢です。みんなの党も、改憲の提案はしていますが、今回に選挙においてはアジェンダに掲げず、争点化していません。
 自民および維新にしても、安倍氏と石原氏が暴走しているだけで、党が一丸になって改憲を訴えているようにも見えません。維新の場合はむしろ、改憲に狂奔する石原氏とどーでもいいと思っている橋下徹代表代行の間で争点になりかねないような状況です。また自民は、選挙協力をして連立を確約している公明党が護憲に近い立場で、いざ安倍氏改憲に走り出せばブレーキ役が期待されるところです。そのために安倍氏は、いきなり9条改憲ではなく、公明党があまり抵抗しなさそうな96条改憲を言い出して、いざ9条改憲となったときのハードルを下げようとしているわけですが。安倍氏や石原氏に乗じて産経がいくら争点化しようとしても、そうではないことはあきらかです。小選挙区で雪崩的に自公が勝利したとしても、それは国民が改憲を支持したことにはなりません。それだけは明記しておきたいところです。