黙然日記(廃墟)

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産経抄のつまみ食い。他。

産経抄】8月22日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120822/plc12082203040005-n1.htm
 日露戦争で日本が大国ロシアを破ったときは、アジアの人々に大きな勇気を与えた。ベトナムやインドの独立運動を強く刺激したことは間違いない。当時15歳だった後のインド首相、ネールがその感激を著書『父が子に語る世界歴史』に書き残したことは有名である。

 という、産経のいつもの「戦前日本がアジアを解放した」史観で始まるわけですが、この部分について2ちゃんねる産経抄ファンクラブスレッドで鋭くツッコまれていました。少し長くなりますが、まとめて引用させていただきます。

356 名前:文責・名無しさん [sage] 投稿日:2012/08/22(水) 15:42:55.19 ID UzkcX5TO0
>産経脳でもさすがに出典まで挙げといてデマ宣伝はやらんと思う。
確かに、「感激した」という記述はあるらしい。
ただし、産経に都合の良い記述はそれだけで、他に都合の悪い記述がたくさんあるのだが、そういうところ
には全く触れない。
アナン事務総長の国会演説の都合の良い所だけ、つまみ食いしていたのを思い出した。

http://www.mcg-j.org/japan/others/nichiro/nichiro2.html#4
例えば、インド独立運動の指導者・ネルーはその著書『父が子に語る世界歴史』のなかでこう書いている
(この本は娘のインディラ宛の書簡の形式をとって書かれたもので、出版は一九三五年)。
「アジアの一国である日本の勝利は、アジアのすべての国ぐにに大きな影響を与えた。わたしは少年時代、
どんなにそれに感激したかを、おまえによく話したことがあったものだ。たくさんのアジアの少年、少女、
そして大人が、同じ感激を経験した。ヨーロッパの一大強国は敗れた。だとすればアジアは、そのむかし、
しばしばそういうことがあったように、いまでもヨーロッパを打ち破ることができるはずだ。ナショナリ
ズムはいっそう急速に東方諸国にひろがり、『アジア人のアジア』」の叫びが起こった」
(大山聡訳、みすず書房版、第三巻二二一頁)

360 名前:文責・名無しさん [sage] 投稿日:2012/08/22(水) 19:23:21.70 ID UzkcX5TO0
こんな「感激」が長続きするわけもなく、>>356の前後には↓のような記述がある。

http://www.mcg-j.org/japan/others/nichiro/nichiro2.html#4
「日本は、西洋の侵略とたたかうアジアのチャンピオンとあおがれ、しばらくは全東洋に非常な人気をあつめた。
もちろん日本は、なんにもそういう意味でのチャンピオンではなかった。日本は日本で、ヨーロッパの列強と少しも
ちがわぬやりくちで戦ったのであった」(同前一一六頁)
もちろん、この「やりくち」とはアジア諸国への帝国主義的な侵略と支配に他ならない。ネルーは続ける。
「日本のロシアに対する勝利がどれほどアジアの諸国民をよろこばせ、こおどりさせたかということをわれわれは見た。
ところが、その直後の成果は、少数の侵略的帝国主義諸国のグループにもう一国を付け加えたにというにすぎなかった。
その苦い結果を、まずさいしょになめたのは、朝鮮であった」云々(同前二二三頁)


361 名前:文責・名無しさん [sage] 投稿日:2012/08/22(水) 19:31:46.49 ID UzkcX5TO0
>ベトナムやインドの独立運動を強く刺激したことは間違いない。
そのベトナム独立運動を潰したのが日本なわけで。

http://www.asahi.com/international/history/chapter03/01.html
日露戦争に勝った日本は1907年6月、インドシナと朝鮮の支配を事実上、互いに認
めた日仏協約を結ぶ。フランス政府が日本に求めたのは、ベトナム独立運動の取り締ま
りだった。「日本政府はフランス植民地政権と結託し、ベトナムの留学生、さらにはフ
ァン・ボイ・チャウに至るまでも追放した。東遊運動は粉砕された」。ハノイで買った
高校の歴史教科書にはそう書いてあった。
チャウは1909年3月、4年間暮らした日本を追われた。東京の外務省外交史料館に、
小村寿太郎(こむら・じゅたろう)外相にあてたチャウの直筆の手紙が残っている。チ
ャウは、外相が「アジアの黄色人種を軽侮し、罪の有無を問わず駆逐している」とし、
日本が欧米列強と手を結んだことを痛烈に批判した。薄い半紙に漢字で一字一字、きち
ょうめんに書かれた手紙を手に取ると、彼の激しい怒りが伝わってくる。

 まあ、いつもの手口ですね。

【正論】筑波大学大学院教授・古田博司 ウソで内憂を外患に転じる韓国+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120822/plc12082203050006-n1.htm

 ウソで他国を貶める古田氏。これもいつものパターンですが。
 李明博大統領の独島(竹島)上陸が、金正日総書記の拉致を認めた発言と《大差ない》という、理屈にもなっていない難癖から始まります。拉致を持ち出せばなんでも正当化できるという悪癖がここに現れています。
 古田氏の、《ウソ》《正直》に関する議論は、正直言って理解できません。韓国人と中国人を嘘つきだと言いたいがために、ありもしないところに理屈をこじつけて一人で納得しているようにしか見えません。最たるものがロンドン五輪女子バドミントン競技における敗退行為に関してで、《他国民にあの真似(まね)はできない》と、堂々と嘘をついています。そもそも、今回バドミントンで処分されたのは韓国ペアと中国ペアだけではなく、インドネシアペアもです。またこの件と前後して、女子サッカー日本代表チームも「準々決勝の対戦で有利になるため」という同じ理由で主力選手を温存し、引き分け狙いの戦略を採りました(この戦略が正しかったことは決勝進出という結果が示していますし、少なくともサッカー界の慣例では「引き分け狙い」「2位狙い」は有効な戦略と認められています。ブーイングは受けますが)。古田氏は、マイナー競技(失礼)の他国チームの試合は観ていても、なでしこジャパンの動向にはまったく無関心だったか、知っているのにためにする嘘をついているか、どちらかでしょう。
 このように平然と嘘をつく古田氏の特性は、少なくとも日本社会では非常に特殊なものです。産経「正論」欄という舞台においては目立ちませんが。