産経オピニオンの抑止力観。
【産経抄】6月24日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120624/plc12062403070002-n1.htm
【主張】原子力基本法 「安全保障」明記は当然だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120624/plc12062403110004-n1.htm
さて。ゴージャスな素材なのでどこから包丁を入れようか迷いますが、とりあえずフィレから切り取ってみましょうか。
「産経抄」の《抑止力という観点からも、原子力技術を今後ますます磨きあげなければならない、と小欄は考える》、また「主張」の《抑止力などの観点も含めて原子力技術を堅持することは日本の安全保障にとって不可欠である》。原子力規制委員会設置法に「安全保障」の文字が入れられたことに関して、日本の核武装に繋がるものだと朝日新聞・東京新聞が報じ、海外各紙が呼応したことについてマッチポンプ扱いし、「食糧自給の安全保障と同じだ」と反論した直後に、これらの文章が出てきます。核武装する気満々じゃないですか。
原発維持=核武装(核抑止力)という馬鹿げた発想は、石原慎太郎都知事あたりの技術についてなにも理解していない人々も発言していますし、比較的クレバーな人だと思われている自民党の石破茂元防衛相も発言していたようですが*1、産経もその一翼を担っているようです。こういう人たちは、北朝鮮が何十年も研究して5年間で2回の核実験をしてまだまともに成功していないことを、どう見ているのでしょうか。それ以前に、原始的な原爆が1発や2発あれば、中国の数千発の水爆ミサイルに対する抑止力になると、本気で思っているのでしょうか。さらにそれ以前の、根本的なところで馬鹿なのはさておくとしても。