黙然日記(廃墟)

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産経阿比留記者の先入観。

【土・日曜日に書く】危機に最も不適格な菅前首相(政治部・阿比留瑠比)+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120603/plc12060303190006-n1.htm

 署名記事ですから主観を述べたっていいのですが、《「〔略〕私の知る限り、歴史上最低の首相じゃないですか」》という、いかにも談話風の文章で自分の主観を書いてしまうのは、かなり悪質なミスリードと言うべきでしょう。直後に名前を引用されている上原春男・元佐賀大学長に対して(上原氏がどう考えているかは別として)無礼ではないでしょうか。
 菅直人前首相が、些末な点にこだわって決断が遅れたという指摘は、言い換えれば、東電側がまともに情報を上げてこなくて、必要な判断ができなかったということでしょう。2月の民間事故調報告にあった記述でこの記事でも引かれている、菅氏が非常用バッテリーのサイズまで自分の携帯電話で確認しようとした一件にせよ、東電の技術者が動かなかったから業を煮やした菅氏が自ら質問した、という証言が既に出ています。
 全体に、「菅氏が悪い」という主観、先入観があって、それに沿った情報だけを阿比留記者は集めているように見えます。その反感は、単に菅氏が「決められない首相だった」とか「怒鳴る」とかの性格上の問題や、脱原発へと大きく舵を切ったことからの原子力村からのバッシングではなく、「市民運動家出身のサヨク政治家である」ことへの阿比留記者の反感がもたらしているのでしょう。菅氏をサヨクというと、本当の左翼の人は怒ると思いますが。