黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経野口記者のサル観。

野口裕之の安全保障読本】日本滅ぼす「101本目の法律」+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120513/plc12051321300009-n1.htm

 すわ「101匹目のサル」か!? と期待した 危惧したのですが、直接は言及されていません。ただ、「101本目の法律ができれば無限に法律が増殖する」という比喩は、どうしても「101匹目のサル」を連想させます。オカルト疑似科学の代表であるこの話を、野口記者は信じ込んでいて、所与の前提として使っているのだと考えても無理はないでしょう。
 「101本目の法律」とは、自衛隊を縛るための法律です。正確には、自衛隊はデフォルトではなにも許されていなくて、行動を許可するための法律をいちいち作らなくてはならない、というものです。他国の軍隊はデフォルトでなんでもアリで、禁止事項だけ法律で定めるものだ、というのですが、そんなものですかね? それにしたって国際法の縛りは「やっていいこと」、ポジティブリストのオンパレードだと思うのですが。
 シビリアンコントロールである以上、軍隊の行動は国内法の縛りを受けます。それがネガティブリストであろうとポジティブリストであろうと、できることとできないことが厳密に決まっている点では変わりないので、どこの(まともな)国の軍隊であろうと、フリーハンドが与えられているということにはなりません。それがあるのはまさに先軍政治でしょう。野口記者が軍の支配する国家を理想としていることだけは、いつもながらよく伝わってきます。