黙然日記(廃墟)

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産経抄、原発を制御する。他。

【主張】こどもの日 家族に包まれ元気に育て+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120505/edc12050503380000-n1.htm

 まず、見出しでもわかりますが5月5日付「主張」から。子供を育てるには家族の絆が、という主張をあいかわらず繰り返しています。高橋史朗氏の「親学」を取り入れた大阪市条例案が強い批判を浴びているところですが、これを後押しする姿勢を、産経は変えるつもりはなさそうです。
 なお、《明治期には日本を「子供の天国」と評した外国人もいた》との一節についてですが、これはイザベラ・バードエドワード・モースのことでしょう。いずれも幕末から明治初期の話で、ほぼ江戸時代までの風習を記録したと考えた方がいいものです。明治中期以後の中央集権制が発達した日本が「子供の天国」であったかどうかは、問い直される必要があるでしょう。

産経抄】5月6日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120506/biz12050603060000-n1.htm

 原発ゼロの日がやってきました。少なくとも、しばらくはこれで様子を見ることが必要だろうと考えます。
 ところがそれで収まらないのが「産経抄」です。かつての水力発電の苦労を持ち出し、「火主水従」になっても、火力発電に比べ瞬時に発電量を変えられる水力発電の補完的機能は重要だった、とまず述べます。いいですか、ここからですよ。火力発電を補う役割は原子力発電が担うようになった。火力は急に出力を変えられないから、原子力は必要だ。とまあ、こういう結論になるのですが、唖然とするばかりです。原子力は火力以上に出力調整が難しく、昼夜での変更さえできないので、電力会社は夜間電力を使う温水器などを売り込んでいたのはご存知のとおりです*1。それをあたかも、知識のない人には原発が水力なみの細かいコントロールができるかのように思わせる言いくるめの技術は、見事なものです。原発を維持する技術より、「産経抄」のこの技術こそ保存すべきかもしれません。保存してなんの役に立つのかと忌まれると困りますが、少なくとも今日の「産経抄」は、詭弁の見本として論理学のテストに使ってもいいぐらいなものでしょう。

*1:エコキュートことえここたんもその一つ。